「紙のように目に優しいタブレットが欲しい」──そんな願いを叶えるのが、TCLの最新モデル 「NXTPAPER 11 Plus」 です。
このタブレットは、電子ペーパーのような落ち着いた質感と、通常の液晶のような鮮やかなカラー表示を切り替えられるという、まさに“ハイブリッド表示”を実現しています。
スマートフォンやタブレットを長時間使っていると、どうしても目の疲れや画面の反射が気になりますよね。
NXTPAPER 11 Plusは、そうした“デジタル疲れ”を軽減しながらも、動画・ゲーム・読書などの楽しさを損なわない絶妙なバランスを実現しています。
このモデルは、TCL独自の「NXTPAPER 4.0」ディスプレイを搭載し、ボタンひとつで 通常モード/カラーペーパーモード/インクペーパーモード の3つを自由に切り替え可能です。
アンチグレア加工が施され、照明や太陽光の映り込みを最小限に抑えているため、屋内でも屋外でも快適に使用できます。
さらに、付属のスタイラスペンとスタンドカバーを組み合わせれば、電子ノートやスケッチブックとしても活用可能。
「読む・書く・観る」をすべて1台で完結できる万能タブレットといっても過言ではありません。
本記事では、そんな TCL NXTPAPER 11 Plus の外観・スペック・実際の使い心地を徹底レビュー。
前機種との違い、実際に使って感じた良い点・惜しい点、そして購入を検討している方へのアドバイスも詳しくお伝えしていきます。

TCL NXTPAPER 11 Plus とは?

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusとは、「目に優しいディスプレイ体験」と「多用途なタブレット性能」 を両立した、TCL独自の技術「NXTPAPER 4.0」を搭載した最新モデルです。
一般的な液晶タブレットとは一線を画す存在で、電子ペーパーのような紙質感と液晶のカラー表示をワンタッチで切り替えることができるのが最大の特徴です。
この「NXTPAPER」という技術は、TCLが長年研究開発を続けてきた独自ディスプレイ方式で、「目の疲れにくさ」「反射の少なさ」「自然な発色」 の3点を高次元で実現しています。
画面表面にはアンチグレア層と特殊なマイクロ粒子層を組み合わせ、光を拡散させることで、まるで印刷された紙を見ているような質感を再現しています。
さらに「NXTPAPER 11 Plus」では、この技術が第4世代(NXTPAPER 4.0)へと進化。
従来よりも明るさ・コントラスト・色の再現性が向上し、室内だけでなく屋外でも高い視認性を確保しています。
3つの表示モードを切り替えて使える
本機の特徴的なポイントとして、利用シーンに応じて次の3つのモードを切り替えられます。
- 通常モード:一般的な液晶のように高輝度で鮮やかな発色。動画や写真の閲覧に最適です。
- カラーペーパーモード:彩度を抑えた落ち着いた表示。雑誌やウェブ記事を読む際に快適で、紙のような質感を楽しめます。
- インクペーパーモード:完全なモノクロ表示で、電子書籍やPDFを読むのに最適。電子ペーパーのような見やすさを実現しています。
これらのモードは専用ボタンで瞬時に切り替え可能で、用途に応じて「見る」「読む」「書く」の最適な表示環境を作り出せます。
液晶と電子ペーパーの“いいとこ取り”
TCL NXTPAPER 11 Plusは、電子ペーパーではなく液晶技術をベースにしています。
そのため、リフレッシュレート120Hzの滑らかな表示性能 を維持しつつ、電子ペーパーのような反射の少ない見やすさを両立。
動画再生やゲームも快適にこなせるという、これまでの電子ペーパー端末では不可能だった使い方を実現しています。
実用性を高めるペン入力とAI機能
さらに本機には、手書きメモやスケッチに対応するスタイラスペンが付属。
画面に直接書き込めるほか、AIアシスタント「TCLi」を使えば、音声入力や文章の自動生成も可能です。
ビジネスでも学習でも活用できる、「デジタルノートとAIタブレットの融合」 といえる存在です。
目に優しく、環境にも優しいディスプレイ
NXTPAPERディスプレイは、ブルーライトを大幅にカット(最大60%削減)しながら、色の再現性を損なわないのも特徴です。
このため、長時間作業や学習に使っても目の疲労感が少なく、子どもから大人まで安心して利用できます。
また、TCLは省電力設計にも注力しており、バッテリー効率も高く、実使用でも1日安心して使える持続力を実現しています。
TCL NXTPAPER 11 Plus の外観とデザイン

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusのデザインは、高級感と実用性のバランスが取れた完成度の高い仕上がり です。
第一印象としては「シンプルで上品」。無駄を削ぎ落としたミニマルな筐体デザインで、手に取った瞬間に“安っぽさがない”と感じられます。
金属ユニボディ構造で高い剛性を実現
本体は、一枚板のアルミ素材を採用したユニボディ構造。
背面から側面まで継ぎ目がなく、全体が滑らかに仕上げられています。
まるで一体成型されたような美しさで、手に持ったときの剛性感が非常に高いです。
この構造のおかげで、タブレット全体に“たわみ”がなく、片手で持っても安心感があります。
特に背面の金属質の冷たさとマット仕上げの質感が心地よく、指紋も付きにくいのがポイントです。
TCLはこのモデルで、従来の「実用重視のタブレット」という印象を覆すようなプレミアムなビルドクオリティを実現しています。
ディスプレイ周り:狭額縁で没入感のある表示体験
正面のディスプレイは、11.5インチのNXTPAPER 4.0パネル。
周囲のベゼル(額縁)は細く、シンメトリーな設計により左右のバランスも美しく保たれています。
横持ちした際も違和感がなく、動画や電子書籍を読むときに高い没入感を得られます。
アンチグレア加工によって光の映り込みがほとんどなく、蛍光灯下でも反射が気になりません。
ディスプレイをオフにしていても、まるでマットな電子ペーパーを見ているような落ち着いた印象です。
電源ボタンや音量キーは上部側面に配置され、操作時のクリック感も良好。
質感・精度の高いアルミ削り出しパーツが使用されており、押し心地は上位機種に匹敵します。
カメラとスピーカーの配置
背面カメラは角にシンプルに配置され、デザインの邪魔をしません。
出っ張りも最小限に抑えられているため、机に置いた際にガタつくこともありません。
スピーカーはクアッドスピーカー構成(左右2基ずつ)を採用。
横向きで動画を見ると、ステレオ感がしっかりと得られ、音の広がりも自然です。
実際に再生してみると、中低音の厚みがあり、薄型ボディながら音の迫力を感じられます。
重量と持ち心地
本体重量は 約490g。
11.5インチクラスとしては軽量な部類で、長時間の読書や動画視聴でも手首の負担が少ないです。
さらに、付属のケースとペンを装着しても 約748g に収まっており、スタンド付きタブレットとしては優秀な軽さです。
重量バランスもよく、手に持ったときに“下が重い”という不快感が少ないのも好印象。
TCLは内部設計の段階で重心バランスを最適化しており、長時間の使用時でも自然な安定感があります。
付属ケースとペンの質感
NXTPAPER 11 Plusには、専用のスタンドカバーとスタイラスペンが付属します。
この価格帯で両方が同梱されているのは非常に珍しく、コストパフォーマンスの高さを感じます。
カバーは三つ折り構造で、3段階の角度調整が可能。
動画視聴時は浅めの角度で安定し、メモやイラスト作成時はやや立てた角度での作業が快適です。
背面にはペンホルダーが備わっており、外出時の持ち運びもスムーズです。
ペン自体は軽量で、手触りも自然。
マットな質感で滑りにくく、長時間の書き込みでも疲れにくい設計になっています。
ただし、パームリジェクション機能(手のひら誤反応防止)はやや弱く、書き込む際には画面に手をつけすぎないよう注意が必要です。
全体的な印象
総じて、TCL NXTPAPER 11 Plusの外観は「高級感・静寂・実用性」が見事に融合した仕上がりです。
派手さはないものの、上品で洗練されたデザインで、どんな場面にも自然に馴染みます。
- 金属の質感が高く所有欲を満たす
- アンチグレアで常に落ち着いた見た目
- ケース装着後もスリムで扱いやすい
この3点が、日常使いの快適さを支える大きなポイントです。
NXTPAPERシリーズが目指す「紙のような体験」を、見た目の質感からもしっかりと感じ取れる一台だといえます。
TCL NXTPAPER 11 Plus のスペック詳細

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusは、「快適な表示体験」と「日常使いに十分な性能」 を両立したミドルクラスのタブレットです。
NXTPAPER 4.0ディスプレイによる独自の視認性に加え、MediaTek製チップや大容量メモリを搭載し、パフォーマンス面も抜かりありません。
主要スペック一覧
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | TCL NXTPAPER 11 Plus |
ディスプレイ | 11.5インチ NXTPAPER 4.0(アンチグレア液晶) |
解像度 | 2220×1440(WQXGAクラス・約2K) |
アスペクト比 | 16:10 |
最大輝度 | 通常450nit/屋外モード最大550nit |
リフレッシュレート | 最大120Hz対応 |
プロセッサー(SoC) | MediaTek Helio G100(8コア) |
GPU | Mali-G57 MC2 |
メモリ(RAM) | 8GB(+仮想RAM 8GB対応・最大16GB動作) |
ストレージ | 256GB(microSD対応) |
OS | Android 15(TCL独自カスタムUI) |
バッテリー容量 | 8000mAh |
充電速度 | 33W急速充電(PD対応・充電器は別売) |
カメラ(リア) | 約13MP(シングルカメラ) |
カメラ(フロント) | 約8MP(ビデオ通話用) |
スピーカー | クアッドスピーカー(4基搭載) |
センサー類 | 加速度・近接・環境光・地磁気センサー |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11 a/b/g/n/ac) |
Bluetooth | 5.2 |
USBポート | USB Type-C(PD対応・OTG対応) |
Widevine DRM | L3(HD再生非対応) |
本体重量 | 約490g(ケース・ペン込み約748g) |
素材 | アルミユニボディ |
カラー | メタリックグレー |
ディスプレイ:NXTPAPER 4.0の完成度が高い
NXTPAPER 4.0は、TCLが誇る独自ディスプレイ技術の第4世代。
表面にはナノ粒子を散布したマット層を重ねることで、電子ペーパーのような「反射の少なさ」を実現しています。
特徴的なのは、3つの表示モードが用意されていることです。
モード名 | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
通常モード | 鮮やかな色合いと高コントラスト | 動画、写真、ゲーム |
カラーペーパーモード | 彩度を落とした自然な表示 | 読書、ウェブ閲覧 |
インクペーパーモード | モノクロ表示・電子ペーパー風 | 電子書籍、ノート作成 |
アンチグレア加工のおかげで、蛍光灯下や屋外でも反射が少なく、長時間使っても目が疲れにくいです。
また、120Hzの高リフレッシュレートにより、スクロールやペン操作も滑らか。
これにより「電子ペーパーの静けさ」と「液晶の滑らかさ」が同居する、独特の表示体験が得られます。
プロセッサーとパフォーマンス
搭載されているSoCは MediaTek Helio G100。
ミドルクラス向けのチップですが、Web閲覧・動画視聴・SNS・軽めのアプリ操作などは快適にこなせます。
性能的には前世代のHelio G99とほぼ同等で、ベンチマーク上は中の上クラス。
Geekbench 6ではシングル約700、マルチ約2000前後のスコアを記録しました。
動画再生や電子書籍、メモアプリの動作などでは一切ストレスを感じません。
ただし、3DゲームなどのGPU負荷が高いアプリでは性能不足を感じることもあります。
本機はあくまで「視認性と快適な読書・ノート体験」に焦点を当てたモデルと考えるのがよいでしょう。
メモリとストレージ
RAMは8GBを搭載し、さらに仮想メモリ機能により+8GBを拡張可能。
最大16GB動作が可能で、複数アプリを開いても安定したパフォーマンスを発揮します。
ストレージは256GBと十分な容量を備えており、電子書籍や動画、メモデータを大量に保存しても余裕があります。
microSDカードにも対応しているため、拡張性も高いです。
バッテリーと充電
バッテリーは 8000mAh を搭載。
NXTPAPERディスプレイは省電力性にも優れており、通常使用で約10〜12時間の連続駆動が可能です。
また、33W急速充電に対応しているため、約1時間半程度でフル充電が完了します。
ただし、同梱されているのはケーブルのみで、充電器は別途購入が必要です。
PD(Power Delivery)対応の充電器を用意すれば、高速充電が可能になります。
スピーカー・音質
NXTPAPER 11 Plusは、クアッドスピーカー(4基)を搭載。
横向き時に左右対称となる配置で、ステレオ感が明確です。音量を上げても歪みが少なく、動画視聴や音楽再生にも十分対応できます。
中音域のクリアさが特に優れており、声の明瞭度が高いのが特徴。
YouTube視聴やオンライン授業など、人の声を中心に聞く用途でとても聴きやすい音質です。
OSとソフトウェア
プリインストールされているOSは Android 15。
TCL独自のカスタムUIが施されており、NXTPAPER専用のディスプレイ切り替えメニューやAI機能「TCLi」が統合されています。
このTCLiは、音声入力・テキスト生成・スケジュール案の作成など、簡易的なAIアシスタントとして利用できます。
Googleサービスとの連携もスムーズで、使い勝手は非常に良好です。
Widevine L3の注意点
一点だけ注意したいのが、Widevine DRMがL3であることです。
これはNetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスで、HD(高画質)再生が制限されるレベルを意味します。
YouTubeやローカル動画では高解像度表示が可能ですが、ストリーミング映画を高画質で楽しみたい人には少し物足りないかもしれません。
ただし、普段使いの閲覧・勉強用途では大きな影響はありません。
カメラとビデオ通話
カメラは背面13MP、前面8MPの構成で、タブレットとしては十分な品質です。
特にフロントカメラはセンター配置で、ビデオ会議やオンライン授業にも向いています。AI補正も効きすぎず、自然なトーンで写せるのが好印象です。
通信・接続性
Wi-Fiは Wi-Fi 5(ac) に対応し、通信速度も安定。
Bluetooth 5.2でワイヤレスイヤホンとの接続も快適です。
USB-CポートはOTGにも対応しており、USBメモリや外部ストレージを直接接続することも可能です。
スペック総評
TCL NXTPAPER 11 Plusのスペックは、決してハイエンドではありませんが、
「快適な視認性」+「十分な実用性能」+「高品質なスピーカー」 の3点が揃った完成度の高い構成です。
とくにNXTPAPER 4.0による表示体験は唯一無二で、「スペック表では測れない快適さ」を感じさせる部分が最大の魅力といえます。
TCL NXTPAPER 11 Plus と前機種 TCL NXTPAPER 11の比較

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusは、その名の通り前モデル「TCL NXTPAPER 11」をベースに改良された後継機です。
両機種を実際に触ってみると、単なるマイナーチェンジではなく、「ディスプレイ体験と操作性を一段階進化させた正統進化モデル」 であることがわかります。
ここでは、前機種との具体的な違いをスペック・デザイン・使い勝手の3つの観点から比較していきます。
主要スペック比較表
項目 | NXTPAPER 11 | NXTPAPER 11 Plus |
---|---|---|
ディスプレイ技術 | NXTPAPER 3.0 | NXTPAPER 4.0(新世代) |
ディスプレイサイズ | 11インチ | 11.5インチ(やや大型化) |
リフレッシュレート | 60Hz | 120Hz(倍速表示) |
SoC(チップセット) | MediaTek Helio G88 | MediaTek Helio G100(性能向上) |
メモリ(RAM) | 6GB | 8GB+仮想RAM 8GB |
ストレージ | 128GB | 256GB(倍増) |
バッテリー容量 | 8000mAh | 8000mAh(同等) |
充電速度 | 18W急速充電 | 33W急速充電対応 |
OS | Android 14 | Android 15(最新) |
Widevine DRM | L1(HD対応) | L3(HD制限)※退化点 |
スピーカー | デュアルスピーカー | クアッドスピーカー |
重量 | 約462g | 約490g(微増) |
進化したポイント
ディスプレイがNXTPAPER 4.0に進化
最大のアップデートはこの部分です。
新たに採用された NXTPAPER 4.0 では、画面の反射をさらに低減しつつ、明るさと発色が大幅に向上。
前モデルのNXTPAPER 3.0が「紙のようだが少し暗め」だったのに対し、
4.0ではよりクリアで、明るい環境下でも見やすくなりました。
また、120Hzリフレッシュレート に対応したことで、スクロールやペン入力の滑らかさが段違いです。
特に電子ノートや手書きメモを取るときの反応速度が格段に上がり、まるで紙に書いているような自然な体験が得られます。
パフォーマンスとメモリの強化
Helio G100+8GB RAMの組み合わせにより、アプリの切り替えやマルチタスクがスムーズになりました。
前機種のHelio G88では、複数アプリを同時に開くとやや重さを感じる場面もありましたが、本モデルではそうした遅延が大幅に改善されています。
さらに、仮想メモリ機能により最大16GB として動作可能。
実際にYouTubeを再生しながらメモアプリを開いたり、ブラウザを複数タブ開いても動作は安定していました。
スピーカーが2基から4基に
NXTPAPER 11 Plusでは、クアッドスピーカー構成に進化。
横向きにしたときのステレオ感が大幅に増し、音の広がりも良くなりました。
映画視聴時の没入感や、音声の立体感は確実に前モデルを上回っています。
充電速度が18W → 33Wに強化
充電速度も進化ポイントのひとつ。
約2時間かかっていたフル充電が、Plusではおよそ1時間半程度で完了。
USB PD対応の33W充電器を使えば、バッテリー残量が少ない状態からでも短時間で使えるようになります。
OSとUIの改善
Android 15をベースにした新UIでは、ディスプレイ切り替え機能がより直感的になりました。
専用メニューからワンタップで「通常」「カラー」「インクペーパー」を切り替えられ、反応速度もスムーズです。
また、AIアシスタント「TCLi」の搭載により、音声入力や文章作成補助なども標準で利用可能になっています。
退化・注意点
Widevine DRMがL3に
最大の残念ポイントがここです。
前機種NXTPAPER 11では Widevine L1対応(HD再生可) でしたが、NXTPAPER 11 Plusではなぜか L3(HD再生不可) にダウングレード。
これにより、NetflixやAmazon Prime Videoなどの配信サービスでHD画質再生ができなくなっています。
YouTubeではフルHD再生可能ですが、映画やドラマを高画質で楽しみたい方にはマイナス要素です。
本体重量がやや増加
11インチから11.5インチへサイズアップした分、重量も約30gほど増加。
とはいえ実際の使用感としては大きな差ではなく、ケース装着時でも十分軽快に扱えます。
NXTPAPER 11 Plusは“読む・書く・観る”を一段上へ
総合的に見ると、NXTPAPER 11 Plusは前機種の弱点をほぼすべて改良し、唯一の欠点はWidevine L3のみという仕上がりです。
NXTPAPER 4.0の視認性は格段に向上し、アンチグレア特性も健在。より自然な色味と滑らかな操作感で、まさに“紙に近い液晶体験”を極めた印象を受けます。
動画視聴中心の人には前機種(L1対応)もおすすめですが、読書・ノート・学習・作業用途では、明らかに「Plus」の方が満足度が高いといえます。
TCL NXTPAPER 11 Plus を使用した私の体験談・レビュー

出典:TCL
実際にTCL NXTPAPER 11 Plusを数日間使ってみて、まず最初に感じたのは「とにかく目がラク」ということです。
これまで多くのタブレットを使ってきましたが、NXTPAPERシリーズ特有の「紙のような見やすさ」は、やはり他の液晶とはまったく違う次元です。
長時間ニュースサイトや電子書籍を読んでも、目が乾いたり疲れたりしにくく、夜でもライトの反射がほとんど気になりません。
「電子ペーパーのようでいて、でも動画やカラー画像がきちんと見られる」この中間的な感覚が、NXTPAPER 11 Plusの最大の魅力だと実感しました。
画面の見やすさとモード切り替え体験
NXTPAPER 11 Plusの最大の特徴である「3つの表示モード」は、実際に使うと非常に便利です。
- 通常モード は液晶らしい明るさと鮮やかさで、YouTubeや映画鑑賞に最適。
- カラーペーパーモード は色味が落ち着いており、ウェブ閲覧や資料閲覧に向いています。
- インクペーパーモード は完全モノクロで、電子書籍やメモ書き時にぴったりです。
ボタン一つで切り替えられるので、「動画を見る→電子書籍を読む→メモを書く」といった行き来がスムーズ。
この切り替えの速さと自然さは、想像以上に快適です。
特にインクペーパーモードは本当に“電子ペーパー風”で、照明の下でも反射がなく、まるで本を読んでいる感覚。
ただし、電子ペーパーではないためバックライトはしっかりあります。暗い場所でも見やすいのは液晶ならではの強みですね。
アンチグレアの実力
私が個人的にもっとも感動したのが、このアンチグレア処理の質です。通常の液晶タブレットだと、光が映り込んで「鏡のように自分の顔が見えてしまう」ことが多いですが、NXTPAPER 11 Plusではそれが皆無に近い。
屋外での使用時も視認性が高く、太陽光の下でも文字がくっきり見えます。
外出先でPDF資料を確認したり、カフェでメモを取るときなどにも非常に使いやすいと感じました。
これだけ映り込みが少なくて高コントラストを保てるのは、本当にTCLのNXTPAPER技術の恩恵だと思います。
ペン入力の使い心地
付属のスタイラスペンは軽量で持ちやすく、筆圧感知の精度も良好です。
「TCL NXTPAPERノート」アプリや「Google Keep」で手書きしてみると、線の追従性がスムーズで、文字の遅延はほとんど感じません。
ただし一点注意が必要なのが、パームリジェクション(手のひら誤反応防止)機能がやや弱い点です。
画面に手を置いたまま書こうとすると、稀に誤タッチが入ることがありました。慣れてくると手の位置を少し浮かせて書くように調整できるので、実用上は大きな問題ではありません。
イラストを描くよりは、メモ書き・ノート用途に向いている印象です。
また、ペン先の摩擦感が心地よく、ガラス面特有の「ツルツルすべる」感じが少ないのも好印象でした。
AIアシスタント「TCLi」の使い勝手
NXTPAPER 11 Plusには「TCLi」というAI機能が搭載されています。
これはTCL独自のAIアシスタントで、音声入力や文章作成、簡単なアイデア出しなどをサポートしてくれます。
例えば、音声で
「東京と大阪の家賃の違いを比較して」
と話しかけると、すぐに要約文を生成してくれます。日本語の自然さは完璧ではないものの、思考整理やメモ作成には役立ちました。
AIアプリを別途インストールしなくても使えるのは地味に便利です。
スピーカー音質と動画体験
クアッドスピーカーの音質は、中音域が非常にクリアで、声の再現性が高いのが特徴です。
YouTubeのレビュー動画を再生してみると、声が前に出てきて非常に聞き取りやすく、音割れもありません。
音の広がりも良く、左右バランスもきちんと取れています。
横向きにして動画を観るときのステレオ感は、明らかに前モデルより上です。
一方で、Netflixなどの動画配信サービスではWidevine L3制限によりHD画質再生ができません。
ただし、YouTube視聴や自前の動画ファイル再生ではフルHD画質を楽しめるので、「動画のきれいさ」自体は十分満足できるレベルです。
パフォーマンスと操作感
MediaTek Helio G100+8GB RAMの組み合わせは、普段使いでは非常に快適です。
ブラウジング、動画再生、PDF閲覧、SNSなど一通りの用途でストレスを感じませんでした。
Geekbenchスコア的にはミドルクラスですが、体感的にはかなりサクサク。120Hzリフレッシュレートの効果もあり、画面遷移が滑らかで、「中の上」クラスの操作感といえます。
ゲームに関しては軽量なタイトル(パズル、シミュレーション系)なら快適ですが、3Dゲームをプレイするにはやや力不足。
この端末は「性能で遊ぶ」よりも「快適に読む・書く」ことを重視した設計ですね。
バッテリー持ちと充電
8000mAhのバッテリーは非常に安定しており、私の使用環境では
- YouTube 2時間
- 電子書籍 3時間
- 手書きメモ+ブラウジング 2時間
といった使い方で、約10〜11時間ほど連続使用できました。
NXTPAPERディスプレイは消費電力が少ないため、一般的な液晶タブレットよりバッテリー持ちが良い印象です。
また、33W急速充電に対応しているため、1時間半ほどで満充電可能。「ちょっと出かける前に充電しておこう」という使い方でも十分対応できます。
質感と持ち心地
実際に手に取って感じたのは、「金属ボディの完成度の高さ」です。
側面のつなぎ目がなく、背面のアルミ素材が滑らかで、ワンランク上の質感を演出しています。
490gという軽さも絶妙で、11.5インチのサイズながら、片手でもバランスよく持てます。
付属カバーとペンを装着しても約750g前後なので、ノートPCの代わりとして外出時に持ち運ぶのにも負担がありません。
総合的な印象
NXTPAPER 11 Plusを使ってみて感じたのは、
「目に優しい快適さを重視するなら、これ以上の選択肢はほぼない」 ということです。
液晶のギラつきが苦手な方や、長時間タブレットで読書や資料閲覧を行う人にとって、この見やすさは本当に革命的。
一方で、動画のHD制限やペン入力の細かい挙動など、惜しい点もあります。
それでも、
- 価格が4万円を切る
- ペンとケースが標準付属
- 目に優しいディスプレイと高音質スピーカー
という構成を考えれば、コストパフォーマンスは抜群です。
特に「読む」「学ぶ」「メモを取る」といった使い方を中心にするなら、満足度は非常に高いでしょう。
TCL NXTPAPER 11 Plus に関するQ&A

Q. 電子ペーパーと何が違うのですか?
・電子ペーパーのような見た目ですが、実際には液晶ディスプレイです。そのため動画再生も滑らかで、カラー表示が可能です。
Q. YouTubeは見られますか?
・通常モードで非常に鮮やかに再生できます。電子ペーパーモードでも視認性は良好です。
Q. 電子書籍の読書に向いていますか?
・非常に向いています。インクペーパーモードでは紙のような質感で目に優しく読めます。
Q. ペン入力の反応はどうですか?
・書き心地は自然ですが、パームリジェクションが弱いため注意が必要です。
Q. バッテリーの持ちはどのくらいですか?
・通常使用で約10〜12時間ほど持ちます。電子ペーパーモードならさらに長時間利用可能です。
Q. 動画配信サービスでHD再生はできますか?
・Widevine L3のため、NetflixやAmazon Prime VideoではSD画質に制限されます。
Q. 充電器は同梱されていますか?
・充電ケーブルのみ同梱で、33W対応充電器は別途購入が必要です。
Q. 音質はどうですか?
・クアッドスピーカー搭載で、音の広がりがあり高音質です。
Q. 日本語の説明書は付属しますか?
・一部モデルには日本語表記が含まれません。製品版での確認をおすすめします。
TCL NXTPAPER 11 Plus が向いている人・向いていない人

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusは、一般的な「液晶タブレット」とも「電子ペーパー端末」とも違う、独自の位置づけを持つハイブリッドタブレットです。
そのため、どんな人に最適で、どんな人には少し合わないのかを明確に理解しておくことが重要です。
実際に使ってみた体験を踏まえながら、それぞれ詳しく解説します。
TCL NXTPAPER 11 Plus が向いている人
長時間の読書やウェブ閲覧をする人
長時間タブレットを見続けても目が疲れにくい。これはNXTPAPERシリーズ最大の魅力です。
アンチグレア加工と紙のようなマット表示により、文字のコントラストが自然で読みやすく、電子書籍やニュースサイトの閲覧がとても快適です。
特に夜間に暗めの照明で作業する人や、ブルーライトの刺激を避けたい人には最適です。
ノート・メモ・学習用に使いたい人
スタイラスペンが標準付属しており、手書きノートやPDFへの書き込みもすぐに始められます。
画面の摩擦感が自然で、ペン先が“滑りすぎない”のが特徴。学生やビジネスユーザーがメモやアイデアを書き留めるのに最適です。
AIアシスタント「TCLi」を使えば、音声でメモを生成したり文章の下書きを作ることもでき、学習補助端末としても優秀です。
反射の少ないディスプレイを求める人
映り込みが少ないため、窓際や屋外での作業でも画面が見やすいです。アンチグレア液晶の質が非常に高く、太陽光の下でも反射をほとんど感じません。
外で読書をしたり、カフェで資料を確認したりすることが多い方におすすめです。
シンプルで高級感あるタブレットを求める人
アルミユニボディ構造による剛性感と、落ち着いたメタリックデザイン。派手さはないものの、質感の高さとシームレスな構造は高級機にも引けを取りません。
外観の美しさや所有感を重視するユーザーにもぴったりです。
「読む」「書く」「観る」をバランス良くこなしたい人
NXTPAPER 11 Plusは、読書・動画視聴・手書き入力をすべて一定以上のクオリティでこなせる万能機です。
特にYouTubeやウェブ動画をよく見る人にとっては、クアッドスピーカーの臨場感が心地よく、音質面でも満足度が高いです。
コスパの良いクリエイティブ端末を探している人
4万円前後という価格ながら、ペンとカバーが付属。
読書・メモ・動画の3用途をこれ1台でまかなえる点を考えると、コストパフォーマンスは非常に高いです。
「初めてのタブレット」としても十分おすすめできます。
TCL NXTPAPER 11 Plus が向いていない人
Netflixなどの動画配信を高画質で楽しみたい人
本機はWidevine L3のため、ストリーミングサービスでHD画質再生ができません。
Netflix・Amazon Prime Video・Disney+ などを高解像度で観たい人には不向きです。
一方でYouTubeやローカル動画の再生には問題ないため、主な視聴がYouTube中心なら支障はありません。
高性能ゲームをプレイしたい人
MediaTek Helio G100は日常用途には十分ですが、3DゲームなどGPU負荷の高いアプリには力不足です。
「原神」「PUBG」などを高設定で遊びたい人にはおすすめできません。
ライトゲーム中心の人なら問題なく使えます。
精密なデジタルイラスト制作をしたい人
付属ペンの描画精度はメモやスケッチには十分ですが、筆圧検知や傾き検知などの高度な描画サポートは非対応です。プロレベルの絵描き・デザイナー用途には物足りなさを感じるでしょう。
趣味でイラストを描く程度なら快適に使えます。
完全な電子ペーパー端末を期待している人
NXTPAPER 11 Plusは“電子ペーパー風”の液晶ディスプレイであり、E Inkではありません。
そのため、直射日光下での完全な反射型表示や、超低消費電力による長時間駆動はできません。
電子書籍リーダー(KoboやKindle)のような用途だけを求めるなら、専用端末の方が適しています。
ペン入力を頻繁に使う人(精度にこだわる人)
パームリジェクションがやや弱く、手のひらが画面に触れると誤反応が起こることがあります。
長時間のペン作業や細かい図面・ノートを描く作業を中心に使いたい人には少し不便かもしれません。
まとめ:どんな人に最適な一台か?
NXTPAPER 11 Plusは、「目に優しく」「落ち着いて作業できる」タブレットを探している人に最適なモデルです。
特に以下のような人には強くおすすめできます。
- 電子書籍やニュースをよく読む
- 会議や授業中にメモを取りたい
- 屋外や明るい環境でタブレットを使う
- 鮮やかさよりも“見やすさ”を重視する
- コスパの高いタブレットが欲しい
逆に、
- ストリーミングで高画質動画を楽しみたい
- 本格的な3Dゲームやイラスト制作をしたい
という方には、別のモデルを検討したほうが満足度は高いでしょう。
TCL NXTPAPER 11 Plusは、スペックで勝負する“パワフルなタブレット”ではなく、「目に優しい快適な表示」「自然な書き心地」「程よい性能」を追求した“知的で落ち着いたタブレット”です。
日常の読書・勉強・動画視聴・軽いクリエイティブ作業を心地よくこなしたい人にとって、これほどバランスの取れたモデルはなかなかありません。
TCL NXTPAPER 11 Plus レビューまとめ

出典:TCL
TCL NXTPAPER 11 Plusは、単なるタブレットではありません。
それは「紙のように目に優しいディスプレイ体験」を軸にした、新しい読書・学習・創作のスタイルを提案する端末です。
実際に使ってみて感じたのは、「これが本当に液晶なのか?」と思うほど自然で柔らかい画面表示でした。
アンチグレア処理により反射が抑えられ、屋内でも屋外でもストレスなく利用できる点は他社製品にはない強みです。特にカラーペーパーモードとインクペーパーモードの質感は秀逸で、電子書籍を読むときの「目の疲れなさ」は、KindleなどのEInk端末に匹敵するほどでした。
「読む」「書く」「観る」をバランスよくこなす万能機
NXTPAPER 11 Plusの魅力は、
「読む」「書く」「観る」──この3つを違和感なく切り替えられる柔軟性にあります。
- 読書時には、紙のように反射が少なく目に優しい表示。
- メモやPDFへの書き込み時には、自然な摩擦感でスラスラ書けるペン入力。
- 動画鑑賞時には、クアッドスピーカーと120Hz表示による滑らかな映像体験。
これらが1台の中で違和感なく成立しているのは、NXTPAPERならではの強みです。
特に、画面モードの切り替えが直感的に行えるため、使用シーンに応じて最適な環境をすぐに作り出せます。
ミドルレンジながら“満足感”の高い仕上がり
スペック面では、Helio G100+8GB RAMという構成はあくまでミドルクラス。
しかし、動作は安定しており、SNS・ウェブ・動画・メモといった日常的な用途では快適そのものです。
バッテリーの持ちも良く、約10〜12時間の実使用が可能。
33W急速充電にも対応しており、短時間でしっかり充電できるのも魅力です。
また、アルミユニボディによる高い質感と剛性は、価格帯以上のプレミアム感を演出しています。
ペンとカバーが標準付属であることを考えると、コストパフォーマンスは極めて優秀です。
惜しいポイントも明確
完璧な製品ではありません。
実際に使って感じた「惜しい点」もいくつかあります。
- Widevine L3 のため、NetflixなどでHD再生できない
- ペン入力のパームリジェクション精度がやや弱い
- Helio G100はゲーム用途には非力
しかし、これらは用途によっては大きな問題にならない場合も多く、特に「読書・ノート・動画視聴」中心のユーザーにとっては致命的な欠点ではありません。
むしろ、“必要十分な性能で無駄がない”という潔さを感じます。
TCL NXTPAPER 11 Plus レビュー総評
TCL NXTPAPER 11 Plusは、これまでのタブレットの常識を少し変える存在です。
電子ペーパーのように柔らかく、液晶のように鮮やかで、しかも動画も滑らかに楽しめる──そんな相反する要素を高い次元で融合させています。単なるスペック競争から一歩引き、「目の快適さ」という人間的な価値に焦点を当てた点こそ、このモデルが他と異なる最大の魅力です。金属ボディの上質な質感、アンチグレアディスプレイの落ち着き、クアッドスピーカーの広がり、そしてペンによる書き心地。そのすべてが“穏やかな使い心地”という体験に集約されています。確かに、Widevine L3やペン入力の細かな癖など課題もありますが、それを補って余りある快適さと独自性があるのは間違いありません。
派手さではなく静けさで魅せる、そんな落ち着いたタブレットを求めている人には、まさに理想的な一台だと言えるでしょう。

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