長らく待ち望んでいた瞬間が、ついに訪れました。Googleが誇る最新の折りたたみスマートフォン、「Pixel 10 Pro Fold」の登場です。私自身、発表と同時に予約し、この最新技術の結晶を手に入れることができました。このデバイスは、単なるスマートフォンの進化ではなく、モバイル体験そのもののパラダイムシフトを象徴しています。
Pixelシリーズは、その卓越したカメラ性能と、Googleの最先端AI技術を統合したTensorチップによって、常にモバイル市場で独自の地位を築いてきました。今回のPixel 10 Pro Foldは、そのPixel体験を、開けば大画面タブレット、閉じれば使いやすいスマートフォンという二つの形態で提供するフラッグシップモデルです。
本記事では、この注目のデバイスを徹底的に深掘りします。開封時の高級感あふれる質感に対するファーストインプレッションから、ガッツリと使い込んだ詳細なレビューまで、その真価を検証しました。特に、折りたたみスマホで初めて搭載された5倍望遠カメラの性能や、ケースなしでマグネット充電を可能にしたPixel Snap (Qi2) への対応など、主要な進化ポイントについて、体験に基づいたリアルな評価をお届けします。
Pixel 10 Pro Foldは、折りたたみスマホの既存の常識を打ち破り、新たなスタンダードを築くことができるのか?その答えを、詳細なスペック分析と実使用レビューを通して、皆さんと一緒に探っていきたいと思います。
Google Pixel 10 Pro Fold とは?

出典:Google
Google Pixel 10 Pro Foldは、Googleが自社開発したハイエンドの折りたたみスマートフォンであり、「PixelのAIとカメラ技術を最大限に活かす大画面デバイス」として位置づけられています。
フォルダブルデバイスとしての特徴
このモデルの基本構造は、柔軟なディスプレイ技術を利用して、一つのデバイスで二つの異なる利用形態を実現しています。
- スマートフォンモード(クローズ時): 閉じた状態では、6.4インチのカバーディスプレイ(画面比率20:9)が機能し、一般的な縦型スマートフォンと変わらない操作性を提供します。日常のメッセージ確認や片手操作は、このモードで完結します。
- タブレットモード(オープン時): 開いた状態では、8.0インチのメインディスプレイが広がり、電子書籍の見開き表示や、動画視聴、マルチタスク作業を大画面で快適に行うことができます。
Tensor G5とAI機能の融合
Pixel 10 Pro Foldの中核を担うのは、Googleが独自開発した最新のシステムオンチップ(SoC)であるGoogle Tensor G5です。このチップは、特に機械学習(ML)と人工知能(AI)の処理に特化して設計されており、従来の処理能力向上に加え、以下のようなPixel独自の体験を支えています。
- リアルタイム翻訳と通訳(マイボイス通訳など)
- 高度な画像編集機能(消しゴムマジック、マジックサジェストなど)
- Gemini Liveなどの最新AIアシスタント機能
カメラシステムの大幅進化
今回のFoldモデルで最も注目すべき進化の一つがカメラシステムです。従来の折りたたみスマホは、カメラ性能を縦型フラッグシップ機より一段階落とす傾向がありましたが、Pixel 10 Pro Foldはそれに挑戦しています。
- 5倍光学ズーム望遠カメラの搭載: 競合製品の多くが3倍望遠にとどまる中で、本機は10.8MPの5倍光学ズーム望遠カメラを搭載しました。これにより、遠くの被写体やイベントの撮影において、圧倒的なアドバンテージを発揮します。
- 高画質な広角メインカメラ: 48MPのメイン広角カメラと、独自の画像処理技術が連携し、低照度環境でも非常にクリアで自然な色彩の写真を生み出します。
Pixel 10 Pro Foldは、単に画面を大きくしただけではなく、GoogleのAIと高性能カメラを、大画面という新しいインターフェースで活用することを目指した、まさにGoogleの考える次世代モバイルデバイスと言えるでしょう。
Google Pixel 10 Pro Fold の外観とデザイン

出典:Google
Pixel 10 Pro Foldは、Googleのハードウェアデザイン哲学を色濃く反映し、高級感と実用性を両立させたデザインが特徴です。
質感と仕上げ:所有する喜び
- カラーと高級感: 今回選んだ「ムーンストーン」カラーは、光沢を抑えたマットな質感で、非常に洗練された印象を与えます。手に取った際のひんやりとした金属とガラスの感触は、まさにフラッグシップモデルとしての高級感を醸し出しています。品のあるデザインは、ビジネスシーンでもプライベートでも違和感なく溶け込みます。
- ヒンジ(開閉機構)の洗練: 開閉動作は非常にスムーズかつ、適度な抵抗感があり、「カチッ」と閉じたときの感触は、物理的な満足感を与えてくれます。前機種から引き継がれたこの気持ちのいい操作感は、Pixel Foldシリーズの大きな魅力の一つです。
画面比率:違和感のないカバーディスプレイ
- カバー画面のアスペクト比: 閉じている状態のカバーディスプレイは6.4インチで、特に注目すべきは20:9というアスペクト比です。これは、現在の一般的な縦型スマートフォン(Pixel 10 Proなども同様)に非常に近い比率です。
- メリット: この比率のおかげで、閉じた状態での文字入力やアプリ操作時に「折りたたみスマホ感」が一切ありません。違和感なく、普通のスマートフォンとして使えることは、日常使いにおいて非常に大きなアドバンテージとなります。
- メイン画面のパンチホール位置: 8.0インチのメインディスプレイを開いた際、インカメラのパンチホールが画面の右端に配置されています。コンテンツ視聴時や作業時に視界の中心に入り込みにくく、ユーザーエクスペリエンスを損なわないよう配慮されている設計だと感じました。
重さと厚み:最大の課題
デザイン面で唯一、そして最大の課題として挙げられるのが、その重さと厚みです。
| 項目 | Pixel 10 Pro Fold | 競合ハイエンド機 (例) | 差分 |
| 本体重量 | 約259.6g | 約219g | 約40gの差 |
| 厚み (クローズ時) | 厚め | 薄め | 競合より厚い |
- 重量感: 本体のみで259.6gと、手に持った瞬間に「ずっしり」と感じる重量感があります。ライバル機種が軽量化に成功している現状を考えると、薄さと軽さにおいては一歩遅れをとっていることは否めません。
- デザイン的な余白: ベゼル(画面の縁)に関しても、開いた状態、閉じた状態ともに、まだ削れる余地があるように見えます。この重さと厚みを次期モデルでいかに改善していくかが、今後のPixel Foldシリーズの大きな焦点となるでしょう。
総合的に見ると、Pixel 10 Pro Foldは高品質な素材と使いやすい画面比率を備え、ハードウェアの作りは非常に優れていますが、折りたたみスマホのトレンドである「軽量・薄型」からは外れた、重厚感のあるデザインを採用していると言えます。
Google Pixel 10 Pro Fold のスペック詳細

出典:Google
Pixel 10 Pro Foldは、Googleの最新技術を結集したフラッグシップモデルとして、以下の通り詳細なスペックを備えています。特に、Tensor G5チップ、カメラシステム、そして充電機能において、前機種からの大きな進化が見られます。
チップセットとパフォーマンス
| 項目 | 詳細 | 特徴 |
| SoC (チップ) | Google Tensor G5 | Google独自の5nmプロセスチップ。AI処理と電力効率を最適化。 |
| RAM | 12GB LPDDR5X | 大容量かつ高速なメモリで、マルチタスクを強力にサポート。 |
| ストレージ | 256GB / 512GB (UFS 3.1) | 高速読み書きに対応。外部ストレージ非対応。 |
| ベンチマーク | AnTuTu V10:約143万点 | 日常使用では十分だが、最新の競合SoCには劣るゲーミング性能。 |
Tensor G5は、特にPixelの核となる機械学習機能(AI機能)の処理速度と効率を大幅に向上させています。一方で、ハードな3Dゲームを最高設定で長時間プレイするような用途では、最新のSnapdragonシリーズを搭載した競合機に一歩譲る性能となっています。
ディスプレイ性能
| 項目 | カバーディスプレイ | メインディスプレイ |
| サイズ | 6.4インチ (前機種より0.1インチ拡大) | 8.0インチ (前機種と同サイズ) |
| アスペクト比 | 20:9 | 正方形に近い比率 |
| 解像度 | (具体的な解像度は非公開だが、FHD+クラス) | (具体的な解像度は非公開だが、QHD+クラス) |
| リフレッシュレート | 最大 120Hz (LTPO対応) | 最大 120Hz (LTPO対応) |
| 特徴 | 視認性の高いOLEDパネルを使用。違和感のない通常スマホ比率。 | 広大な表示領域。漫画やVLOGの確認に最適。 |
両ディスプレイともに、滑らかな表示を実現する120Hzリフレッシュレートに対応しており、コンテンツのスクロールやアニメーションが非常に快適です。
カメラシステム:5倍望遠が光る
Pixel 10 Pro Foldのカメラは、折りたたみスマホとしては最高クラスの性能を誇ります。
| カメラの種類 | 画素数 | 特徴 |
| 広角 (メイン) | 48MP | 光学式手ブレ補正(OIS)搭載。高解像度とPixel独自の画像処理。 |
| 超広角 | 10.5MP | 広い画角で風景や大人数の撮影に対応。 |
| 望遠 | 10.8MP (5倍光学ズーム) | 光学5倍ズームに対応。OIS搭載。スポーツや遠景撮影で威力を発揮。 |
| カバーインカメラ | 10.5MP | 閉じている状態でのセルフィーやビデオ通話に利用。 |
| メインインカメラ | 10.5MP (パンチホール) | 開いている状態でのビデオ通話やVLOG撮影に使用。 |
特に5倍光学ズームは、競合機の3倍望遠から大幅なアップグレードであり、PixelのAIズーム(超解像ズーム)と組み合わせることで、最大20倍のデジタルズームにも対応しています(ただし、Pixel 10 Proの100倍ズームには及びません)。
バッテリーと充電
| 項目 | 詳細 | 特徴 |
| バッテリー容量 | 5,015mAh | 前機種(4,650mAh)から増量。長時間の使用をサポート。 |
| 有線充電速度 | 30W(急速充電) | ケーブル接続で素早く充電が可能。 |
| ワイヤレス充電 | Pixel Snap (Qi2) / 最大15W | マグネット吸着に対応した新規格。ケースなしで便利に充電可能。 |
| リバース充電 | 対応 | 他のデバイス(Pixel Watchなど)を背面から充電可能。 |
Pixel Snap (Qi2) 対応は、このモデルの隠れたハイライトです。マグネットによる固定で充電が安定し、折りたたみスマホのワームホール(無線充電コイルの位置)の調整の手間を解消しました。
Google Pixel 10 Pro Fold とPixel 9 Pro Fold の比較

出典:Google
Pixel 10 Pro Foldは、前機種であるPixel 9 Pro Foldから、ユーザー体験を大きく向上させる機能的な進化を遂げています。
進化のポイント
| 項目 | Pixel 10 Pro Fold | Pixel 9 Pro Fold | 評価される進化点 |
| SoC (チップ) | Tensor G5 | Tensor G4 | AI処理速度と全体的な性能が向上。 |
| 望遠カメラ | 5倍光学ズーム (10.8MP) | 3倍光学ズーム (10.8MP) | 大幅なアップグレード。スポーツやイベント撮影に最適化。 |
| バッテリー容量 | 5,015mAh | 4,650mAh | 約8%の容量増。バッテリー持ちの不安を解消。 |
| ワイヤレス充電 | Pixel Snap (Qi2) / 15W | Qi対応 / 12W | マグネット吸着による利便性が向上し、充電速度もアップ。 |
| カバーディスプレイ | 6.4インチ | 6.3インチ | わずかながら画面が拡大し、視認性が向上。 |
| 本体重量 | 約259.6g | 約283g | 約23gの軽量化を実現。 |
決定的なアドバンテージ:カメラと充電
5倍光学ズーム望遠カメラ
Pixel 10 Pro Foldの最も強力な差別化要因です。前機種の3倍ズームでは、遠くの被写体に対して物足りなさを感じることがありましたが、5倍に進化することで、被写体をより大きく、クリアに捉えられるようになりました。これは、「折りたたみスマホはカメラが弱い」という従来の常識を覆す、重要な進化です。
Pixel Snap (Qi2) 対応
ワイヤレス充電規格Qi2への対応は、日々の利便性を劇的に変えます。マグネットによる固定が可能なため、充電器に正確に置く必要がなくなり、特にデスク上での充電が非常に快適になりました。最大15Wの出力向上と合わせ、充電体験におけるストレスが大幅に軽減されています。
軽量化とバッテリー増量
本体重量が約23g軽量化され、同時にバッテリー容量が5,015mAhに増量されている点は、ユーザーのフィードバックが活かされた結果と言えます。ハードウェアの進化と効率の向上により、より軽く、より長く使えるデバイスへと着実に進化しています。
Pixel 10 Pro Foldは、単なるマイナーチェンジではなく、折りたたみスマホとしての実用性とフラッグシップ機としての高性能化を両立させた、明確な進化を遂げたモデルと言えるでしょう。
Google Pixel 10 Pro Fold を使用した私の体験談・レビュー

出典:Google
Pixel 10 Pro Foldをメイン機として2日間使用し、負荷の高い環境で徹底的に使い込みました。以下に、そのリアルな体験談を詳しくお伝えします。
怒涛のバッテリーテスト:朝から夜まで酷使
今回のレビューでは、バッテリー持ちを限界まで試すため、東京への移動中、特にカメラを多用しました。
- 使用状況: 朝100%からスタートし、飛行機内での1時間の漫画読書(メイン画面)、移動中の動画撮影、300枚以上の写真撮影を行いました。
- 結果: 写真を大量に撮るという極めてハードな使い方をしたにもかかわらず、夕方6時半の段階で、バッテリー残量は約30%でした。
- 評価: 一般的な使い方であれば、これほど写真(300枚)を撮ることは稀ですので、余裕で一日以上は持つという確信を得られました。5,015mAhへの容量増が、Tensor G5の効率化と相まって、確かなスタミナにつながっていることを実感しました。
5倍望遠カメラの実力
カメラは、この端末のハイライトでした。
- ズームの衝撃: 5倍光学ズームは、Galaxy Z Foldの3倍望遠と比べると、体感できるレベルで迫力が違います。スポーツやイベント撮影における実用性が格段に上がりました。
- 暗所性能: 暗転した際も、Pixel独自の画像処理により、超広角カメラでもかなり広く、鮮明に撮影することができました。
- VLOGモードの革新: 端末を開いた状態で背面カメラを使って自分撮り(セルフィー)をすると、メイン画面がファインダーになる「背面カメラセルフィー」機能は、VLOG撮影において非常に便利でした。広大な画面で画角を確認できるため、失敗が少なく、開いた状態で自立させて撮影できるのも利点です。
- 発熱の抑制: 300枚以上の連写や、動画撮影を繰り返しましたが、熱々になってパフォーマンスが低下するほどの極端な発熱はありませんでした。ハードな処理が安定している印象を受けました。
ディスプレイと日常の使用感:違和感からの解放
- カバー画面の快適さ: 6.4インチ、20:9のカバー画面は、日常のメッセージ返信やX(旧Twitter)の閲覧など、閉じた状態での操作に全く違和感がありません。この「普通のスマホ」として使える感覚は、ライバル機にはないPixel Foldの最大の強みです。
- 開いた時の没入感: 飛行機内で電子書籍を読んだ際、8.0インチの大画面での見開き表示は非常に快適でした。また、旅先で撮った写真をすぐに大画面で確認できる体験は、普通のスマホでは味わえない満足感があります。
- マルチタスクの制限: 2画面分割はスムーズでしたが、欲を言えば、ライバル機種が対応している3つのアプリ同時起動(3分割)に対応していないのは惜しいところです。細かなカスタマイズ性や、真のマルチタスク性能では、まだ改善の余地があると感じました。
Pixel Snap (Qi2) の革命的な便利さ
- マグネット充電の恩恵: Qi2対応は、個人的に最も気に入った点かもしれません。ケースなしの本体を、マグネット対応充電器にピタッと吸着させるだけで、安定して充電が開始されます。これまでのワイヤレス充電のように「コイルの位置を探る」ストレスから解放されました。
- ただし制約も: 端末を開いた状態では、マグネットの位置関係から斜めになり、安定した充電が難しいことがわかりました。基本的にはカバー画面の状態での利用がベストです。
ゲームとパフォーマンス:非ゲーマー向け
- ゲーム性能の限界: 負荷の高い3Dゲームを試しましたが、Tensor G5チップではグラフィック設定を最高にすると、明らかにフレームレートが落ちる箇所があり、カクつきを感じました。快適にプレイするためには設定を下げる必要があります。
- 大画面のデメリット: メイン画面でゲームをすると、横方向がカットされるため、かえって画面領域が狭く感じられ、プレイしづらい印象を受けました。
総合的に見て、Pixel 10 Pro Foldは、カメラ性能と充電の利便性で折りたたみスマホの頂点に迫る一方で、重さとゲーム性能という点で課題を残している、非常に個性的で魅力的なデバイスだと断言できます。
Google Pixel 10 Pro Fold に関するQ&A

Q. Pixel 10 Pro Foldの最も大きな進化点は何ですか?
・望遠カメラが3倍から5倍光学ズームに強化されたことと、ケースなしで利用できるPixel Snap (Qi2) ワイヤレス充電に対応したことです。
Q. 重さと厚みは改善されましたか?
・前機種からは軽量化されましたが、本体重量は約259.6gと、競合する折りたたみスマホと比較するとまだ重く、厚みもあります。
Q. バッテリー持ちは良いですか?
・バッテリー容量が5,015mAhに増量され、ハードな使用でも一日持つことが確認できました。一般的な使用であれば一日以上は余裕で持ちます。
Q. ゲーミング性能は高いですか?
・Tensor G5チップを搭載していますが、最新のハイエンドチップと比較すると性能は劣ります。負荷の高いゲームではフレームレートの低下が見られ、ゲーム目的での購入はおすすめしません。
Q. Pixel Snap (Qi2) とは何ですか?
・マグネット吸着に対応したワイヤレス充電規格です。Pixel 10 Pro Foldはこれに対応しているため、ケースなしでマグネット式の充電器を利用できます。最大出力は15Wです。
Q. メイン画面のインカメラ(パンチホール)は目立ちますか?
・インカメラは画面の右端に配置されているため、動画視聴やコンテンツ利用の際に、中央にあるタイプと比較してあまり気になりません。
Q. 3つのアプリを同時に起動(3分割)できますか?
・できません。2画面分割(マルチタスク)には対応していますが、ライバル機種のように3つのアプリを同時に表示することはできません。
Q. 5倍望遠カメラはプロレスやスポーツ撮影で実用的ですか?
・非常に実用的です。3倍では物足りないと感じるシーンでも、5倍あれば被写体をしっかり捉えることができ、撮影の幅が広がります。
Q. 閉じている状態(カバー画面)は使いやすいですか?
・画面比率が20:9と一般的なスマホに近いため、違和感が全くなく、通常のスマホとして非常に快適に使えます。
Q. スピーカーの音質はどうですか?
・スピーカーの位置が非対称(開いた時の左上と右下)ですが、音自体は非常にクリアで、動画視聴などには十分な品質です。
Q. AI機能はPixel 10 Proと同じですか?
・Gemini(ジェミニ)のウィジェットやマジックサジェスト、マイボイス通訳など、Pixel 10 Proとほぼ同じAI機能を搭載しています。
Google Pixel 10 Pro Fold が向いている人・向いていない人

出典:Google
Google Pixel 10 Pro Fold は、その独自の機能と設計思想から、ユーザーを選ぶ傾向があります。本機が提供する価値を最大限に享受できる人と、他の選択肢を検討すべき人について、詳しく解説します。
Google Pixel 10 Pro Fold が向いている人
- 高倍率の望遠カメラを求める折りたたみスマホユーザー
- 折りたたみスマホで5倍光学ズームという高性能カメラを搭載している点は、唯一無二の魅力です。スポーツ観戦、イベント撮影、旅行などで遠くの被写体をクリアに撮りたい人には最適です。
- PixelのAIとカメラの処理能力を重視する人
- Tensor G5チップによる高度なAI機能(リアルタイム通訳、写真編集マジックなど)を、大画面で体験したいユーザー。Pixelならではの直感的で強力な機能を楽しみたい方に深く響きます。
- 閉じた状態で「普通のスマホ」として使いたい人
- カバー画面が6.4インチ、20:9という一般的なアスペクト比のため、折りたたみであることを意識せずに日常使いが可能です。ライバル機の細長いカバー画面に抵抗がある方に強く推奨されます。
- Pixel Snap (Qi2) のマグネット充電に魅力を感じる人
- ケースなしでマグネット吸着によるワイヤレス充電(Qi2/15W)ができる利便性は、日常の充電環境を劇的に改善します。ワイヤレス充電を頻繁に利用する人にとって、大きなメリットとなります。
- 高品質な質感とデザインを求める人
- 金属とガラスを組み合わせた高級感のあるデザインや、開閉時のヒンジの感触といったハードウェアの作り込みを評価するユーザーは、この端末に満足感を覚えるでしょう。
Google Pixel 10 Pro Fold が向いていない人
- 薄さ・軽さを最優先する人
- 本体重量が約259.6gと重く、厚みもあるため、長時間片手で操作したい方や、ポケットに入れて持ち運ぶ際の快適さを求める方には適していません。
- 最新ハイエンドチップのゲーミング性能を求める人
- Tensor G5チップはAI性能に優れますが、ハードな3Dゲームを最高設定で快適にプレイするには性能が不足しています。ゲームを主な目的とする場合は、Snapdragon 8 Genシリーズ搭載の競合機を検討すべきです。
- 真のマルチタスク(3画面分割)を多用する人
- Pixel 10 Pro Foldは2画面分割までしか対応していません。複数の情報源やアプリを同時に画面上に展開し、効率を最大化したいヘビーユーザーには、機能的に物足りなく感じる可能性があります。
- 購入コストを抑えたい人
- 価格が267,500円からと非常に高価です。折りたたみ機能や5倍カメラといった特定の機能に価値を感じない場合、縦型フラッグシップ機やより安価な折りたたみスマホのほうがコストパフォーマンスが高い可能性があります。
Google Pixel 10 Pro Fold レビューまとめ

出典:Google
Google Pixel 10 Pro Foldは、折りたたみスマートフォンの市場において、Googleならではの強力な個性と実用的な進化を提示したモデルです。2日間集中的に使用した結果、本機は「重さ」という最大の課題を抱えつつも、それを上回る独自の魅力を持っていることが分かりました。
高く評価できる「明確な強み」
- 5倍光学ズームカメラの搭載: 折りたたみスマホでは異例の5倍望遠を実現し、イベントやスポーツ観戦などのシーンで、その実用性を証明しました。これは、写真撮影を重視するユーザーにとって決定的なアドバンテージです。
- Pixel Snap (Qi2) の利便性: ケースなしでマグネット充電に対応したことは、日々の充電体験をストレスフリーにする革命的な進化です。
- 「違和感のない」カバー画面: 20:9のアスペクト比により、閉じた状態での操作性が極めて高く、「普通のスマホ」として使える安心感があります。
- 高いハードウェア品質: ヒンジの気持ち良い開閉感や、全体的な高級感のある質感は、所有する喜びを与えてくれます。
残された「主要な課題」
- 重さと厚み: 本体重量が約260gに迫り、競合他社と比較して周回遅れになっている感は否めません。薄型軽量化のトレンドに逆行するこの重厚感は、ユーザーを選ぶ最大の要因となります。
- ゲーミング性能: Tensor G5チップのAI性能は優秀ですが、高負荷のゲームに対するパフォーマンスは、この価格帯のフラッグシップとしては物足りません。
- マルチタスクの制限: 3画面分割に非対応であるなど、究極のマルチタスク環境を求めるユーザーには改善の余地があります。
Google Pixel 10 Pro Fold レビュー総評
Google Pixel 10 Pro Foldは、折りたたみスマートフォンの進化のベクトルに、Google独自のAI哲学とカメラ性能を強く打ち出した意欲的なデバイスです。このモデルは、折りたたみスマホが抱える最大の課題の一つであったカメラ性能に真正面から取り組み、5倍光学ズームという強力な望遠機能を搭載することで、これまでの常識を覆しました。加えて、マグネット吸着式のPixel Snap (Qi2) ワイヤレス充電に対応したことは、日々の充電体験におけるストレスを解消する、地味ながらも革新的な進化点と言えます。カバー画面が20:9という標準的なアスペクト比であるため、閉じた状態での使いやすさは折りたたみスマホの中でも随一であり、普段使いにおける違和感を極限まで排除しています。
しかしながら、本体重量が約260gに迫る重厚さと、高価格帯でありながらも競合他社に一歩譲るゲーミングパフォーマンスは、購入を検討する際に無視できない二大課題として残ります。
結論として、Pixel 10 Pro Foldは、「最高のカメラとAI技術を折りたたみ式の大画面で活用したい」、そして「多少の重さには目をつぶれる」という明確なユーザー層に対して、現状で最高の選択肢を提供する、非常に個性的で魅力に満ちたフラッグシップモデルであると評価できます。
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