これまでのXperiaシリーズは独自のデザインや機能性に強みがあり、ファン層も多いですが、「Xperia 1 VI」では従来の特徴を継承しつつ、より実用性が高まるような変更が加えられています。特に、ディスプレイのアスペクト比が21:9から19.5:9へと変更され、日常使いにおいて視認性が向上した点は大きなポイントです。また、Snapdragon 8 Gen 3の搭載により、パフォーマンスが大幅に向上し、より快適な使用感を実現しています。
また、バッテリー性能の向上も特筆すべき点です。これまでのXperiaはバッテリー持ちに課題があると指摘されることもありましたが、「Xperia 1 VI」では省電力設計が最適化され、1日しっかり使用してもバッテリー残量に余裕がある設計となっています。
本記事では、「Xperia 1 VI」の外観やデザイン、スペック、実際の使用感、Q&Aなどを通じて、このスマートフォンがどのようなユーザーに向いているのかを詳しく解説していきます。実際に3週間使い込んだリアルな体験談をもとに、購入を検討している方に役立つ情報を提供していきます。
![]() | 価格:7990円 |

SONY Xperia 1 VI とは?

出典:SONY
SONYが2024年にリリースしたフラッグシップスマートフォンです。シリーズの特徴であるシネマティックなディスプレイや優れたカメラ性能を引き継ぎながら、従来の21:9の縦長ディスプレイから19.5:9の比率へと変更され、より実用的なデザインへと進化しました。
また、「Xperia 1 VI」は、最新のSnapdragon 8 Gen 3チップセットを搭載し、前世代と比べて処理能力や省電力性能が大幅に向上しています。加えて、冷却性能の改善により、長時間のゲームプレイや動画編集などの負荷の高い作業でも安定した動作を実現しています。
さらに、Xperiaシリーズの特徴であるカメラ性能も進化しています。特に望遠カメラは、3.5倍から7.1倍の光学ズームが可能になり、焦点距離の自由度が増したことで、より幅広い撮影シーンに対応できるようになりました。また、Sonyの独自技術によるリアルな色再現や、AIを活用した被写体認識機能も向上しており、プロフェッショナルな撮影体験を提供します。
このように、「Xperia 1 VI」はデザインの進化だけでなく、パフォーマンスやカメラ機能の強化によって、より幅広いユーザーに対応できるフラッグシップモデルとなっています。
SONY Xperia 1 VI の外観とデザイン

出典:SONY
デザインは、これまでのシリーズと同様に洗練されたミニマルなスタイルを採用しています。従来モデルと比べて持ちやすさや操作性が向上しており、より快適なユーザーエクスペリエンスを提供します。
外観の特徴
- フラットディスプレイ:完全なフラットディスプレイで、ガラスフィルムを貼っても違和感なく使える。
- 薄型軽量ボディ:ハイエンド機でありながら200gを切る軽さで、長時間の使用でも疲れにくい。
- 3.5mmイヤホンジャック搭載:近年のスマートフォンでは珍しいが、オーディオファンには嬉しいポイント。
- 指紋認証一体型電源ボタン:スムーズなロック解除が可能。
- 高品質なマット仕上げ:指紋がつきにくく、持ち心地が良い。
- スリムなベゼル:ディスプレイの没入感を高めるため、極限まで狭く設計。
- 防水防塵対応(IP68):屋外や水回りでも安心して使用可能。
- シンメトリックなスピーカー配置:上下に配置されたデュアルスピーカーで、迫力のあるステレオサウンドを実現。
デザインのポイントとして、「Xperia 1 VI」は高級感のあるマット仕上げが施されており、手に馴染みやすく指紋が目立ちにくい仕様となっています。また、側面は金属フレームで補強され、耐久性と美しさを両立しています。
背面には、Xperiaの特徴であるシンプルかつ洗練されたデザインが継承されており、カメラモジュールもコンパクトに配置されています。これにより、片手持ちでの操作がしやすくなり、カメラ撮影時の安定感も向上しています。
このように、美しさと機能性を両立したデザインが魅力のスマートフォンです。
SONY Xperia 1 VI のスペック詳細

出典:SONY
Xperia 1 VIの基本スペック
項目 | 詳細 |
---|---|
ディスプレイ | 6.5インチ OLED (19.5:9) FHD+ (2520×1080) 120Hzリフレッシュレート、HDR対応、最大輝度1300nits |
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 3(4nmプロセス) |
RAM / ストレージ | 12GB / 256GB (microSD対応 最大1TB) |
バッテリー | 5000mAh, 急速充電対応 (30W 有線、15W ワイヤレス充電対応)、リバースワイヤレス充電対応 |
OS | Android 14 (最大3回のOSアップデート保証) |
メインカメラ | 48MP (広角, F1.9, OIS) + 12MP (超広角, F2.2, 124°) + 12MP (望遠, 85-170mm可変, F2.3-3.5, OIS) |
フロントカメラ | 12MP (F2.0) |
防水防塵 | IP68(防水1.5m/30分、防塵完全保護) |
オーディオ | 3.5mmイヤホンジャック、デュアルステレオスピーカー、LDAC対応、360 Reality Audio、DSEE Ultimate |
通信 | 5G (Sub6 / mmWave)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、NFC、Felica対応 |
生体認証 | 側面指紋認証 |
重量 | 約195g |
SONY Xperia 1 VI と Xperia 1 V の比較
「Xperia 1 VI」は前モデルの「Xperia 1 V」と比較すると、ディスプレイ、カメラ、処理性能、バッテリー効率の面で進化を遂げています。以下の表では、具体的な違いを詳しく比較しています。
項目 | Xperia 1 V | Xperia 1 VI |
---|---|---|
ディスプレイ | 6.5インチ 4K OLED 21:9 | 6.5インチ FHD+ OLED 19.5:9 HDR対応 |
リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz |
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 2 | Snapdragon 8 Gen 3 |
バッテリー | 5000mAh | 5000mAh(ワイヤレス充電対応) |
望遠カメラ | 85-125mm可変 | 85-170mm可変 |
超広角カメラ | 12MP F2.2 | 12MP F2.2(画角が拡大) |
メインカメラ | 48MP F1.9 | 48MP F1.9(AI処理向上) |
AI機能 | 最小限 | 強化されたAI処理(被写体認識精度向上) |
発熱対策 | 標準 | 新冷却システム搭載で発熱抑制 |
イヤホンジャック | あり | あり |
重量 | 約200g | 約195g |
改善されたポイント
- ディスプレイの実用性向上
- 「Xperia 1 V」では21:9の4Kディスプレイを採用していましたが、「Xperia 1 VI」ではFHD+解像度に変更され、より省電力かつ高輝度のパネルを搭載。明るい屋外でも視認性が向上しました。
- カメラの進化
- 望遠カメラのズーム範囲が125mmから170mmに拡大し、より遠くの被写体を高解像度で撮影可能になりました。
- AI処理が強化され、被写体の認識精度や色再現が向上しました。
- 冷却性能の向上
- 新たな冷却システムを採用し、長時間の高負荷作業時の発熱を効果的に抑制。
- バッテリーの持続時間の向上
- 5000mAhのバッテリーは前モデルと同じですが、電力効率が向上し、より長時間の使用が可能に。
- ワイヤレス充電に加え、リバースワイヤレス充電にも対応。
気になる点
- 4Kディスプレイの廃止
- 「Xperia 1 V」では4K表示が可能でしたが、「Xperia 1 VI」ではFHD+に変更され、映像編集などの用途には少し物足りない可能性があります。
- サイズの変化
- 19.5:9のアスペクト比になったことで、従来のXperia 1シリーズと比較すると少し幅広に感じるかもしれません。
このように実用性を重視した改良がなされており、特にバッテリー持ち、冷却性能、カメラの進化が魅力的なポイントとなっています。
SONY Xperia 1 VI を使用した私の体験談

※画像はイメージです。
3週間メイン端末として使用した結果、特に以下の点が印象的でした。
良かった点
日常使用の快適さ
Snapdragon 8 Gen 3の強力な処理能力により、アプリの動作はスムーズで、マルチタスクでもストレスを感じることはありませんでした。特に、YouTubeやX(旧Twitter)、Instagram、Googleフォトなどのアプリは、スクロール時の滑らかさが際立っており、リフレッシュレート120Hzの恩恵を実感できます。
バッテリーの持ち
1日フルに使用しても、就寝前のバッテリー残量が70%以上残ることが多く、これまでのXperiaシリーズよりも格段に長持ちする印象です。特に待機時の消費電力が少なく、スマホを置いている間にバッテリーが減る心配がほとんどありませんでした。
ディスプレイの改良
従来の21:9比率のディスプレイから19.5:9に変更されたことで、縦長すぎるという印象がなくなり、SNSやWeb閲覧の際に情報量が増えた点は大きな改善点でした。動画視聴時の没入感も高く、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスを利用する際にも快適でした。
カメラ性能
特に広角カメラと2倍ズーム時の画質は非常に良好でした。センサーサイズの大きさもあり、暗所でもノイズが少なく、ナイトモードを使用しなくても自然な明るさの写真を撮影できました。ポートレートモードのボケ処理も自然で、ストローなどの細かい被写体もしっかりと識別してくれました。
発熱の抑制
「Xperia 1 V」ではゲームや動画撮影時に本体が熱くなることがありましたが、「Xperia 1 VI」では冷却性能が向上し、長時間の使用でも発熱をほとんど感じませんでした。特に夏場や高負荷のゲームをプレイする際に、この改善点が顕著に感じられました。
気になった点
AI機能の少なさ
最近のスマートフォンはAI機能が充実していますが、「Xperia 1 VI」はGalaxyやPixelと比べるとAI機能が少ないと感じました。例えば、囲って検索やリアルタイム翻訳機能などが標準搭載されていない点は少し残念でした。
望遠カメラの暗所性能
広角カメラや超広角カメラは優秀ですが、望遠カメラの暗所性能はやや弱く、夜間や室内でズームするとノイズが目立つことがありました。光量のある環境では問題ありませんが、暗い場所での望遠撮影には不向きです。
標準のギャラリーアプリがない
Googleフォトでの管理が前提となっており、純正のギャラリーアプリがない点が不便でした。Xperia独自のギャラリーアプリがあれば、より直感的に写真を管理できたと思います。
デジタルズーム時の画質
最大21.3倍のデジタルズームが可能ですが、画質の劣化が大きく、実用的ではありませんでした。光学ズームは優秀なため、デジタル処理の向上が望まれます。
総評
これまでのXperiaシリーズの課題を大きく改善し、日常使用において快適性が向上したスマートフォンです。特にバッテリー持ちの向上、発熱の抑制、カメラの画質向上は目に見えて進化しており、満足度の高い端末でした。
一方で、AI機能の少なさや望遠カメラの暗所性能など、改善の余地がある部分も見受けられました。しかし、それらの点を踏まえても、全体的に見て非常に完成度の高いデバイスであり、特に動画視聴やカメラ性能を重視するユーザーには強くおすすめできます。

SONY Xperia 1 VI に関するQ&A

※画像はイメージです。
Q.ディスプレイはFHD+になったが違いは感じる?
→ 普段使いでは4Kとの差はほとんど感じられません。高輝度ディスプレイとHDR対応により、映像コンテンツも鮮明に表示されます。
Q.ゲームプレイには向いている?
→ 高リフレッシュレートと優れた冷却性能により、快適にプレイ可能です。特に高負荷のゲームでも発熱が抑えられており、長時間のプレイにも適しています。
Q.バッテリー持ちは?
→ 1日使用しても70%以上残ることが多く、省電力性能が高いです。特に待機時の消費電力が少なく、長時間使用しない場合でもバッテリーの減りが気になりません。
Q.イヤホンジャックはある?
→3.5mmイヤホンジャックが搭載されています。有線イヤホンやヘッドホンを使用したい方にも最適です。
Q.防水性能は?
→ IP68の防水防塵性能があり、雨の日や水辺でも安心して使用できます。
Q.AI機能はどの程度搭載されている?
→ 他社のAI機能と比べると少なめですが、被写体認識や自動補正などのカメラ関連AI機能が強化されています。
Q.カメラ性能は?
→ メインカメラの画質は非常に良いですが、望遠カメラの暗所性能がやや弱いです。ポートレートモードのボケ感は自然で、細かい被写体も綺麗に撮影できます。
Q.充電速度は速い?
→ 30W急速充電に対応しており、約30分で50%まで充電可能です。また、ワイヤレス充電やリバースワイヤレス充電にも対応しています。
Q.軽い?
→ ハイエンド機としては軽量な部類に入り、長時間の使用でも手に負担がかかりにくいです。
Q.スピーカー性能は?
→ デュアルステレオスピーカーを搭載し、音の広がりや低音の厚みも向上しています。動画視聴や音楽鑑賞にも適しています。
Q.発熱はどの程度?
→ 新たな冷却システムが搭載されており、負荷の高い作業でも発熱を抑えることができます。
SONY「Xperia 1 VI」が向いている人・向いていない人

出典:SONY
向いている人
- Xperiaシリーズのデザインが好きな人
- シンプルで高級感のあるデザインを好むユーザーには最適です。
- 3.5mmイヤホンジャックを使いたい人
- 近年のフラッグシップスマホでは廃止されつつあるイヤホンジャックを搭載しているため、有線イヤホンを愛用している人におすすめです。
- バッテリー持ちを重視する人
- 省電力設計により、1日しっかり使ってもバッテリーが持続するため、外出先でも安心して使用できます。
- 動画視聴を頻繁にする人
- 19.5:9のディスプレイとHDR対応により、NetflixやYouTubeなどの映像コンテンツを高画質で楽しめます。
- カメラ性能を重視する人
- 特に広角と超広角カメラの画質が優れており、自然な色再現や美しいボケ味を求める人には最適です。
- 発熱を抑えた高負荷ゲームを楽しみたい人
- 最新の冷却システムとSnapdragon 8 Gen 3の組み合わせにより、長時間のゲームプレイでも発熱を抑え、快適に楽しめます。
向いていない人
- AI機能を重視する人
- AI機能が少なく、PixelやGalaxyのようなAIを活用した便利機能(リアルタイム翻訳、通話録音、囲って検索など)を求める人には物足りないかもしれません。
- 望遠カメラの暗所性能を求める人
- 望遠カメラの画質は明るい環境では優秀ですが、暗所ではノイズが目立つため、ナイトモード撮影を頻繁に行う人には向いていません。
- 4Kディスプレイにこだわる人
- 「Xperia 1 V」までは4Kディスプレイが搭載されていましたが、「Xperia 1 VI」ではFHD+に変更されました。超高解像度の画質を求める人にはやや不満が残るかもしれません。
- 超コンパクトなスマートフォンを求める人
- 比較的スリムですが、大画面スマホのため、片手操作にこだわる人にはやや扱いづらいと感じるかもしれません。
- 価格を重視する人
- ハイエンドモデルであり、価格も高めです。コストパフォーマンスを重視する場合は、ミドルレンジのスマホも検討したほうが良いでしょう。
SONY「Xperia 1 VI」レビューまとめ

※画像はイメージです。
最新の技術を取り入れつつ、実用性を重視したバランスの良いフラッグシップスマートフォンです。特に、バッテリー持ちの向上や発熱の抑制、カメラ性能の改善など、日常使用においてメリットが多く感じられました。
良かった点
- ディスプレイの進化: 19.5:9の比率に変更されたことで、持ちやすさと視認性が向上。HDR対応の高輝度ディスプレイにより、屋外でも視認性が良好。
- バッテリー持ちの向上: 5000mAhの大容量バッテリーと省電力チップの組み合わせで、1日中安心して使える。
- パフォーマンスの向上: Snapdragon 8 Gen 3の搭載により、アプリやゲームの動作がスムーズ。
- 冷却性能の強化: 発熱を抑える新しい冷却システムが搭載され、長時間の使用でも快適。
- カメラ性能の向上: 広角・超広角カメラの画質が向上し、ポートレートモードの精度もアップ。特にボケ処理が自然になった。
- オーディオ性能の充実: 3.5mmイヤホンジャックを引き続き搭載し、ハイレゾ音源や360 Reality Audioにも対応。
気になった点
- AI機能の少なさ: 他のフラッグシップ機と比べると、AIを活用した機能が少なく、便利機能の面ではやや物足りない。
- 望遠カメラの暗所性能: 望遠カメラの暗所撮影ではノイズが目立ち、ナイトモードが必要になる場面が多い。
- 4Kディスプレイの廃止: 以前のXperia 1シリーズが持っていた4K解像度ディスプレイがFHD+になり、超高解像度を求めるユーザーには不満かもしれない。
- 価格が高め: ハイエンドモデルらしく価格は高めで、コストパフォーマンスを求める人にはやや厳しい。
総評
デザイン、バッテリー、カメラ、パフォーマンスのバランスが取れたスマートフォンで、特に普段使いの快適さを重視するユーザーにとって魅力的な選択肢です。一方で、AI機能の少なさや望遠カメラの暗所性能など、いくつかの改善点もあります。
全体的に見て、「Xperia 1 VI」は多くの点で進化を遂げており、Xperiaシリーズのファンだけでなく、バランスの取れたスマートフォンを求めるユーザーにもおすすめできるモデルです。