スマートフォン市場において、常に売れ筋ランキングの上位に君臨し続ける「日本の国民的スタンダード」、AQUOS senseシリーズ。今回はその最新作となるAQUOS sense10のレビューをお届けします。
昨今の円安や物価高の影響でスマートフォンの価格が高騰する中、「そこそこの性能で、買いやすい価格、そして安心の機能」を求める声は年々高まっています。そんなユーザーの期待を一身に背負って登場したのがこのモデルです。私は今回、数ある販路の中でも端末価格が最も安かった楽天モバイルで購入しました。
パッと見た第一印象を正直に言えば、昨年のモデル(AQUOS sense9)からデザイン上の大きな変化はなく、「これ、マイナーチェンジ止まりなんじゃないの?」と感じてしまうのが本音です。しかし、見た目で判断するのは早計でした。メーカーが掲げる「スマートライフサポート」というコンセプトの通り、中身は着実に進化しています。
「仕様と価格のバランスが良く、日本ブランドでコスパのいいスマホが欲しい」という方にとっては、間違いなく最有力候補の一つになるでしょう。
しかし、スペック表だけでは見えてこない「処理の重さ」や「カメラの癖」はどうなのか?前作から買い替える価値はあるのか?
今回は、メイン機として使い込んでみた体験をもとに、良いところも、そして正直に気になったところも含めて、AQUOS sense10の真価を徹底的に確認していきます。それでは、詳しく見ていきましょう。
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) とは?
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) の外観とデザイン
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) のスペック詳細
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) とAQUOS sense9の比較
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) を使用した私の体験談・レビュー
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) に関するQ&A
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) が向いている人・向いていない人
- SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) レビューまとめ
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) とは?

出典:SHARP
AQUOS sense10は、SHARPが展開するスマートフォンラインナップの中で、最も多くのユーザーに選ばれている「スタンダードモデル(ミドルレンジ)」の最新作です。
このシリーズは代々、「必要十分な性能」と「使いやすさ」、そして「手頃な価格」の3拍子を揃えることを使命としており、日本のAndroidスマートフォン市場において常に販売台数上位にランクインする、いわば「国民機」とも呼べる存在です。
コンセプトは「スマートライフサポート」
今回のsense10が掲げるテーマは「スマートライフサポート」です。単にハードウェアの数値を上げるだけでなく、AI技術を日常の便利機能に落とし込んでいるのが大きな特徴です。例えば、通話中の声をクリアにする機能や、写真の影を消す機能など、ユーザーが日々の生活で「ちょっと困った」と感じる瞬間を、スマホが賢くサポートしてくれる設計になっています。
この機種のアイデンティティ
- 圧倒的な電池持ちと軽量ボディ: 5,000mAhの大容量バッテリーを搭載しながら、わずか166gという驚異的な軽さを実現しています。「スマホは軽くて電池が持つのが一番」という実用派ユーザーの声を体現しています。
- 日本仕様の全部入り: おサイフケータイ(FeliCa)、最高等級の防水・防塵(IP68)、そして耐衝撃性能(MIL規格)を完備。日本国内での利用シーンに完全に最適化されています。
- 長く使える安心感: 発売から最大3回のOSバージョンアップと、5年間のセキュリティアップデートが約束されています。一度買ったら長く使い続けたいというニーズにしっかりと応える仕様です。
- 必要十分な処理性能: 最新の3Dゲームをバリバリこなすほどのパワーはありませんが、Web閲覧、SNS、動画視聴、地図アプリなどの日常動作はサクサク動く「Snapdragon 7s Gen 3」を採用しています。
つまり、AQUOS sense10とは、「スペック競争には参加しないが、生活の道具としての快適さは妥協しない」という、非常に堅実で賢い選択肢となるスマートフォンです。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) の外観とデザイン

出典:SHARP
パッケージは袋に入っているタイプで、これまでの箱型とは少し異なる珍しいスタイルです。中に入っていたのは以下の通りです。
- 本体
- クイックスイッチアダプター(USB Type-A to C)
- クイックスタートガイド
最近では珍しくなったデータ移行用のアダプターが同梱されているのは親切ですが、充電器やケーブル、そして画面の保護フィルムは付いていませんでした。
本体のデザインと質感
今回私が選んだカラーは「デニムネイビー」です。楽天モバイルではピンクの取り扱いがなかったためこちらを選びましたが、結果として大正解でした。色味はかなりシックで深く、ビンテージ感があります。本体色に合わせた赤っぽいカメラリングが良いアクセントになっていて目立ちますね。
背面はサラサラとした質感で、サイドフレームも同様の仕上げです。特徴的なカメラデザインは前作を踏襲しています。カメラ部分だけツルッとしており、出っ張りも非常に少ないのが好印象です。
持ちやすさとボタン配置
何より素晴らしいのはその軽さです。重量は実測で166g。サイズ感も最近のスマホの中では小ぶりに感じられ、総じて持ちやすいです。
- 右側面: 音量ボタン、電源ボタン兼指紋認証センサー
- 左側面: SIMスロット(SIMピン不要で開けられるタイプ)
- 下部: USB Type-C端子、マイク、スピーカー
気になったのは右側のボタン配置です。音量ボタンが随分と上の方にあり、その下に電源ボタンがあります。片手操作だと音量ボタンに指が届きにくいのが少々難点です。また、有線派には残念ですが、イヤホンジャックは搭載されていません。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) のスペック詳細

出典:SHARP
AQUOS sense10の核となる仕様を詳しく解説します。特に、前機種からの進化点や、ミドルレンジモデルならではのコストバランスがどこにあるのかを深掘りします。
私が今回入手したモデルは、基本となるメモリ (RAM) 6GB、ストレージ (ROM) 128GBのモデルです。
主要仕様一覧
| 項目 | 詳細スペック | 特徴・備考 |
| SoC (CPU) | Snapdragon 7s Gen 3 | 前作のSnapdragon 6 Gen 1から大幅に性能向上。日常動作は快適です。 |
| メモリ (RAM) | 6GB / 8GB | 基本は6GB。一部販路では8GBモデルも取り扱いあり。 |
| ストレージ (ROM) | 128GB / 256GB | 基本は128GB。microSDカードで最大2TBまで拡張可能。 |
| ディスプレイ | 6.1インチ IGZO OLED | リフレッシュレート 最大120Hz (疑似240Hz) 対応。 |
| バッテリー | 5,000mAh | 優れた電池持ち。ワイヤレス充電は非対応。 |
| カメラ | メイン/超広角:各約5,030万画素 | 50MPを活かした光学相当2倍ズームが可能。 |
| 通信 | Wi-Fi 6 (6GHz帯利用可) | 最大リンク速度は600Mbpsに制限。 |
| 認証 | 側面指紋認証、顔認証 | 指紋認証は高速かつスムーズ。 |
| 耐久性 | IP68 (防水防塵) / MIL規格対応 | 非常に頑丈な設計。 |
| 端子 | USB Type-C (3.2 Gen 1) | DisplayPort対応で外部モニター出力も可能。 |
| その他 | おサイフケータイ、ステレオスピーカー、ハイレゾ対応 |
パフォーマンス:SoCとベンチマーク
本機の頭脳にあたるSoC(System-on-a-Chip)には、Snapdragon 7s Gen 3が搭載されています。これは前モデルに比べてベンチマークスコアがしっかりと上昇しており、日常使いの中心であれば十分な性能です。
実際に計測したAnTuTuベンチマークのスコアは以下の通りです。
AnTuTuベンチマークスコア (v10 / v11): 約 60万点台
ミドルレンジとしては優秀な数値を示しており、Webブラウジング、SNS、動画視聴といった普段使いでは、「カクつくことなくスムーズに動く」という印象です。もちろん、負荷の高い3Dゲーム(『原神』など)を最高画質で快適に遊ぶには向きませんが、ミドルレンジとしては納得のいく性能レベルです。
ディスプレイ:120Hzと擬似240Hz
6.1インチのディスプレイは、AQUOSならではのIGZO OLED(有機EL)を採用しており、非常に綺麗です。
- リフレッシュレート: 最大120Hzに対応し、画面のスクロールが滑らかです。
- 疑似240Hz (Black Insertion): 黒画面を挿入することで、残像を低減し、最大240Hz相当の滑らかさを実現する機能もあります。ただし、これは「AQUOS独自のゲーミングメニュー」で個別の対応アプリを登録した場合にのみ利用できる仕様です。実用性を考えると、普段は最大120Hzで動作すると考えておくのが現実的です。
バッテリーと充電速度
バッテリー容量は5,000mAhと大容量です。動画の連続ストリーミングテストでは、約22時間10分という長時間駆動を達成しました。ライバルとなるであろう他社のミドルレンジスマホと比較しても、バッテリー持ちが悪いということは一切ありません。
ただし、コスト削減ポイントとして、ワイヤレス充電(Qi)には非対応となっています。充電はUSB Type-C端子から行う仕様です。
通信と接続性
- Wi-Fi: Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応し、6GHz帯の利用も可能です。しかし、ベンチマークテストの結果、最大リンク速度は600Mbpsに抑えられていることが確認されました。日常のWeb閲覧などには問題ありませんが、通信速度にこだわる方からすると、他社のミドルレンジと比較して見劣りする点です。
- USB端子: USB Type-CはUSB 3.2 Gen 1に対応しています。さらに、DisplayPort出力にも対応しているため、ケーブル一本で外部モニターに映像を出力できるのは、ビジネス用途などでも嬉しい機能です。
独自機能:音と安心感
- スピーカー: 耳元と口元、両方にボックス型のステレオスピーカーが搭載され、ハイレゾ音源の再生にも対応しています。ミドルレンジながら音質にこだわっていることがうかがえます。
- 耐久性: IP68の防水防塵に加え、米国国防総省の調達基準であるMIL規格(MIL-STD-810H)にも対応しており、非常に頑丈であることが本機の大きな「売り」です。
- アップデート保証: 搭載OSはAndroid 16で、発売から最大3回のバージョンアップと、5年間のセキュリティアップデートが保証されており、長く安心して使用できます。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) とAQUOS sense9の比較

出典:SHARP
AQUOS sense10は、前機種であるAQUOS sense9から外観的な変化が少ないため、「マイナーチェンジ」という印象を持たれがちです。しかし、中身を詳しく比較すると、性能面や機能面で大きな進化が見られます。
ハードウェア・デザインの比較
外観を比較すると、サイズ、重さ、基本的なデザインは前機種と完全に同じです。これは、ケースやアクセサリーの互換性を重視した設計思想がうかがえます。
| 項目 | AQUOS sense10 | AQUOS sense9 |
| サイズ・重量 | 166g / 6.1インチ | 166g / 6.1インチ |
| SoC (CPU) | Snapdragon 7s Gen 3 | Snapdragon 6 Gen 1 |
| カメラ画素数 | メイン/超広角:5,030万画素 | メイン/超広角:4,800万画素 |
| スピーカー | デュアルボックススピーカー | モノラルまたはシングルスピーカー |
| AI機能 | 影除去、ボーカリスト機能など | 限定的 |
| 背面FeliCaマーク | なし | あり |
| USB規格 | USB 3.2 Gen 1 (DP対応) | USB 2.0 (DP非対応) |
性能面での決定的な違い
sense10最大の進化は、搭載されているSoC(CPU)の変更による処理性能の向上です。
- SoCの世代交代:sense9が「Snapdragon 6 Gen 1」だったのに対し、sense10は「Snapdragon 7s Gen 3」を採用しました。これにより、AnTuTuスコアが着実に上昇しており、体感できるサクサク感が向上しています。特に、アプリの起動速度やマルチタスクでの切り替えなど、日常的な操作の滑らかさが段違いです。重いゲームをしないユーザーでも、この速度向上は確実にメリットとなります。
新機能と実用性の進化
見た目よりも「使い心地」を重視した新機能が多数追加されました。
- 音質の劇的改善:前機種ではモノラルまたはシングルスピーカーでしたが、sense10はデュアルボックススピーカーを採用し、ステレオ再生に対応。音の広がりや低音域の表現力が大幅に向上し、動画視聴や音楽鑑賞がより快適になりました。
- クリアな通話機能(ボーカリスト機能):AIを利用して、騒音下でも自分の声だけをクリアに相手に届ける機能が搭載されました。これは前機種にはなかった、非常に実用的な新機能です。
- カメラAI機能の強化:上位モデルの機能が取り込まれ、写真撮影時に映り込んだ「影」を自動で除去する機能や、ガラス越しの不要な映り込みを軽減する「シースルーモード」などが追加されています。
デザインの微細な変化
- FeliCaマークの廃止:sense9の背面中央にあったFeliCaマークが、sense10では消えました。これにより、背面デザインがスッキリしましたが、おサイフケータイのタッチ位置がカメラ周りに移動しているため、利用時には注意が必要です(パッケージにも案内があります)。
- カメラ周り:カメラレンズ周りの出っ張り(枠)がわずかに太くなり、存在感が増したようにも見えますが、総じてカメラの出っ張り自体は非常に少ないままです。
結論として、AQUOS sense10は「外観は維持しつつ、性能と実用的な使い勝手を大幅に改善した、純粋なアップグレードモデル」であると言えます。特に、処理速度の向上と音質の改善は、前機種ユーザーが買い替えるメリットとして非常に大きいポイントです。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) を使用した私の体験談・レビュー

出典:SHARP
ディスプレイと操作感
画面はごくごく普通に綺麗です。リフレッシュレートは最大120Hzに対応しており(設定で「なめらかハイスピード」をオンにする必要あり)、スクロールなどは「ヌルヌル」と動きます。Yahoo!ニュースなどの画像が多いページやYouTubeの全画面表示も非常にスムーズでした。
顔認証も非常にスムーズで、指紋認証もセンサー位置が適切で反応も良好です。
サウンド体験
今回、進化を感じたのがスピーカーです。「ボックス型のステレオスピーカー」を採用しており、ミドルレンジながら高音も低音もバランスよく響き、音質は非常に良い印象です。
ただ、横持ちで動画を見ているときは良いのですが、縦持ちの時に音量を変えようとすると、ボタン位置が高すぎて指を持ち替える必要があるのが少しストレスでした。
通話機能「ボーカリスト機能」の実力
目玉機能の一つであるAI通話機能「ボーカリスト機能(自分の声だけ届ける)」と「周囲のノイズを抑える機能」を試してみました。
実際に騒音の中で通話テストを行い、録音して確認してみましたが、効果は劇的でした。
機能をオンにすると、周囲の凄まじい騒音が相手側にはほとんど聞こえなくなり、私の声だけがクリアに届いていました。これは外出中や駅のホームなどで通話する際に非常に役立ちます。
注意点:
- この機能は、Bluetoothイヤホンなどの外部接続機器を使用している時は無効になります。スマホ本体で通話する時のみ有効です。
- 事前に自分の声を登録する必要があります。
ゲーム性能と発熱
高グラフィックゲーム「崩壊:スターレール」を高画質・60fpsでプレイしてみました。
結論としては、「プレイはできるが快適ではない」です。時々処理が重くなり、カクつきが発生します。ただ、発熱に関しては優秀で、ダウンロード中やプレイ中でも最高38℃程度に収まり、極端に熱くなることはありませんでした。
「プリンセスコネクト!Re:Dive」のような軽量ゲームであれば、全く問題なくスムーズに動作します。ガチゲーマーには向きませんが、暇つぶし程度のゲームなら許容範囲です。
カメラ性能:AI機能と画質
カメラは50MPのメインと超広角の2眼構成です。
- 日中の撮影: 非常に綺麗です。「スカッとした青空」が撮れます。2倍ズームも高画素切り出しのおかげで劣化を感じません。
- 夜景: 過去のAQUOSは黄色みが強い傾向がありましたが、今回は明暗がしっかりしており、かなり自然で落ち着いた夜景が撮れるようになりました。進歩を感じます。ただし、超広角カメラで夜景を撮ると少し不自然に明るくなる傾向があります。
- 新機能「影除去」: 食事の写真を撮る際、自分の影が入り込んでしまうことがありますが、AIが自動で影を消してくれる機能が追加されました。試してみると、かなり自然に影が消えて美味しそうな写真になりました。これは便利です。
気になった点(画像処理の癖):
動く被写体(ペットや子供)には弱いです。シャッターを切った瞬間は「撮れた!」と思っても、その後にバックグラウンドで処理が走り、出来上がった写真を見ると「目が閉じていた」ということがありました。撮影後のプレビュー画面が「処理前の仮画像」であり、少し待たないと完成形が見られないのは体験としてあまり良くありません。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) に関するQ&A

Q. 充電器は付属していますか?
・ACアダプターやUSBケーブルは付属していません。別途用意する必要があります。ただし、データ移行用の「クイックスイッチアダプター」は同梱されています。
Q. イヤホンジャックはありますか?
・3.5mmイヤホンジャックは搭載されていません。有線イヤホンを使う場合はUSB-C変換アダプタが必要です。
Q. ワイヤレス充電には対応していますか?
・非対応です。これはコスト削減ポイントの一つと言えます。
Q. SDカードは使えますか?
・microSDカードスロットがあり、最大2TBまで対応しています。
Q. 重いゲームは快適に動きますか?
・「原神」や「スターレール」クラスの重いゲームを高画質で快適にプレイするのは厳しいです。画質を落とせば遊べますが、基本的にはライトなゲーム向けと考えたほうが良いです。
Q. バッテリー持ちはどうですか?
・非常に良いです。Wi-Fiストリーミング再生で100%から0%まで約22時間10分持ちました。前モデルと同等で、他社ライバル機と比べても優秀です。
Q. 指紋認証の場所はどこですか?
・本体右側面の電源ボタンと一体型になっています。
Q. OSのアップデート期間は?
・発売から最大3回のOSバージョンアップと、5年間のセキュリティアップデートが保証されています。長く使いたい人も安心です。
Q. AI通話ノイズキャンセリングはイヤホンでも使えますか?
・本体のマイクとスピーカーを使って通話する場合のみ有効です。ワイヤレスイヤホン等では効果が適用されません。
Q. 付属品に保護ケースやフィルムはありますか?
・ついていません。パッケージは簡易的な袋のみです。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) が向いている人・向いていない人

出典:SHARP
AQUOS sense10は非常にバランスの取れたスマートフォンですが、その特性から「向いている人」と「向いていない人」が明確に分かれます。ご自身の利用スタイルと照らし合わせて、最適な選択であるかを確認してください。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) が向いている人
スマホの「軽さ」と「電池持ち」を最優先する人
約166gという軽量ボディに、5,000mAhという大容量バッテリーを搭載している点が最大の魅力です。
- 「長時間スマホを使うので、バッテリー残量を気にせず過ごしたい」
- 「片手で操作することが多いので、重いスマホは持ちたくない」
このような実用性と携帯性を重視する方には、これ以上ない選択肢となります。
日本仕様の「安心感」と「便利さ」が必須な人
おサイフケータイ、防水防塵(IP68)、そして耐衝撃性のMIL規格対応という「日本の国民機」としての要件をすべて満たしています。
- 「雨や水濡れ、不意の落下にも耐えられる頑丈さが欲しい」
- 「SuicaやiDなど、スマホ決済をメインで使いたい」
- 「大切なデータを残せるSDカード対応は譲れない」
通話や動画の「音質」を重視する人
進化したデュアルボックススピーカーと、AIを活用した通話機能は特筆すべき点です。
- 「騒がしい場所で頻繁に通話をする機会が多い」
- 「イヤホンなしで、クリアで迫力のある音で動画を楽しみたい」
これらの機能により、ビジネスシーンや日常のエンターテイメント体験が向上します。
高い性能は求めないが「快適な動作」を求める人
SoCがSnapdragon 7s Gen 3に進化し、日常のWeb閲覧、SNS、動画視聴などはストレスなく快適に動作します。
- 「最新の重いゲームはしないが、日常の操作はカクついてほしくない」
- 「価格を抑えつつも、動作の滑らかさ(120Hz)は譲れない」
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) が向いていない人
グラフィックの重い3Dゲームを本格的にプレイする人
SoCの性能はミドルレンジとしては優秀ですが、ハイエンド機には及びません。
- 「『原神』や『崩壊:スターレール』を高画質・高フレームレートで快適に遊びたい」
このような要求には処理性能が不足しており、カクつきや発熱を感じる可能性があります。
動く被写体を「決定的な瞬間」で撮影したい人
カメラの画像処理に時間がかかるというAQUOS特有の癖があります。
- 「動き回るペットや子供の瞬間的な表情を逃さず撮りたい」
撮影後の処理ラグにより、シャッターを切ったタイミングと実際に保存された写真の内容にズレが生じやすいため、高速シャッターが要求されるシーンには不向きです。
ワイヤレス充電やイヤホンジャックの「利便性」を重視する人
この機種はコスト削減のため、一部の便利な機能が削られています。
- 「置くだけで充電できるワイヤレス充電は必須条件だ」
- 「変換アダプタなしで、3.5mm有線イヤホンを接続したい」
これらの機能が必要な場合は、他の機種を検討する必要があります。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) レビューまとめ

出典:SHARP
AQUOS sense10を徹底的に使い込んだ結果、このモデルは「堅実な進化を遂げた、優等生ミドルレンジ」であると総評できます。
外観は前作から変わらず「マイナーチェンジ」の印象を受けますが、中身はユーザーが日常で体感できる「快適さ」と「利便性」が大幅に向上しています。
評価できる進化ポイント
| カテゴリ | 評価ポイント | 詳細 |
| パフォーマンス | 処理性能の着実な向上 | Snapdragon 7s Gen 3への移行により、AnTuTuスコアが着実に上昇し、日常のサクサク感が大幅に改善されました。 |
| 音響 | サウンド体験の劇的改善 | デュアルボックススピーカーの採用により、ミドルレンジとしては異例の高音質を実現。動画や音楽の満足度が向上しました。 |
| 通話機能 | AIによるクリアな通話 | ボーカリスト機能は、騒音下での通話品質を格段に上げ、非常に実用性が高いです。 |
| カメラ | 日中・夜景画質の安定化 | 特に夜景の表現が自然で落ち着いたトーンになり、日常の記録としては十分すぎる性能です。影除去機能も便利です。 |
| バッテリー | 圧倒的な電池持ちと軽さ | 5,000mAhで約166gという組み合わせは、長時間利用するユーザーにとって最大のメリットです。 |
惜しいポイント
- カメラの画像処理遅延: 動体撮影時に、シャッター後の処理ラグにより「決定的瞬間」を逃しやすいというAQUOS特有の癖が残っています。
- 機能の非搭載: ワイヤレス充電や3.5mmイヤホンジャックが非搭載である点は、利便性を求めるユーザーにとっては妥協点となります。
- Wi-Fi速度の制限: Wi-Fi 6に対応しながらも、最大リンク速度が抑えられているため、大容量データのダウンロード速度はハイエンド機に見劣りします。
SHARP AQUOS sense 10 (アクオスセンス10) レビュー総評
QUOS sense10は、外観の大きな変更がないことから「マイナーチェンジ」と捉えられがちですが、内部はSoCの進化と実用性の高い新機能の追加により、「賢く、そして快適な日常の相棒」へと着実にアップグレードを遂げました。特に、Snapdragon 7s Gen 3への刷新による体感的な動作の滑らかさ、デュアルボックススピーカーによる音質の飛躍的な向上、そしてAIを活用したクリアな通話機能は、スペック表の数値以上に日々の使い心地に貢献する大きな進化点です。
もちろん、約166gという驚異的な軽量さと5,000mAhバッテリーによる圧倒的な電池持ち、そしてIP68防水やおサイフケータイといった日本独自のニーズを満たす「全部入り」の安心感は健在です。一部、ワイヤレス充電の非対応やカメラの画像処理速度に改善の余地は残るものの、価格と性能、そして利便性のバランスを高い次元で実現しており、「高性能は求めないが、信頼性が高く、長く快適に使えるミドルレンジが欲しい」と考える全ての方にとって、最有力候補として強く推奨できる、非常に完成度の高い一台です。
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