2025年、レノボ傘下となったFCNTが放つ復活のハイエンドモデル──それがarrows Alpha(アローズ アルファ)です。長年にわたり「国産スマホの信頼性」「高い耐久性」「誰でも扱いやすい操作性」を追求してきたarrowsシリーズが、再び本格的な高性能路線へと舞い戻ってきました。
本機は「高すぎない価格で、快適に使えるハイエンド」という明確なコンセプトを掲げ、最新世代の性能を必要十分に備えつつ、従来のアローズらしい“日本人に寄り添う安心設計”をさらに進化させています。たとえば、防水・防塵・耐衝撃はもちろん、IP69の高圧水流耐性やMIL規格23項目に準拠した強度を誇り、まさに“タフで繊細”なスマートフォンに仕上がっています。
さらに、日常使いで体感できる使いやすさにも注目。6.4インチの144Hz対応ディスプレイは屋外でも明るく、90Wの超急速充電や12GB+仮想12GB(最大24GB)のメモリ、512GBの大容量ストレージなど、スペックだけでなく快適なユーザー体験に重点を置いています。特に、側面の「アクションキー」や、指先だけでスクロール操作できる「Exlider」、設定を音声で直接呼び出せる「arrows AI」など、国産スマホらしい独自機能の完成度は群を抜いています。
今回私は実際にこのarrows Alphaを1か月間使用し、日常のあらゆるシーンで性能や操作性、AI機能、防水性能、そしてゲームやカメラの実力を徹底検証しました。懐かしさと新しさが共存し、安心感と快適性が見事に融合したスマートフォン。その真価を、本レビューでは詳しく掘り下げていきます。

arrows Alpha (アローズ アルファ)とは?

出典:FCNT
arrows Alpha (アローズ アルファ) とは、2025年に登場したFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)がレノボグループの一員として再出発を果たした後、初めてリリースするハイエンドモデルです。
これまでのarrowsシリーズといえば、頑丈で壊れにくく、防水防塵性能に優れた“安心スマホ”として人気を集めてきましたが、arrows AlphaはそのDNAを受け継ぎながらも、最新のハードウェアとAI技術を融合させた新世代のarrowsと言える存在です。
メーカーの定義では「ハイエンドスマートフォン」に分類されていますが、その狙いは“手に取りやすい価格のハイエンド”。
つまり、一般的なフラッグシップモデルが10万円を超える中で、8万円台という価格帯で最新性能を体感できる「コストパフォーマンス重視のハイスペック機」として設計されています。
arrows Alphaの最大の特徴は、レノボグループ傘下となったことで実現したモトローラの技術リソースを活用した設計です。
SoCには「MediaTek Dimensity 8350 Extreme」を搭載し、動作の最適化はFCNTが独自にチューニング。これにより、ミドルレンジ向けチップながらも滑らかでキビキビとした操作感を実現しています。
さらに、内部ストレージは驚きの512GB、RAMも12GB+仮想12GBで合計最大24GBという充実構成。写真・動画・ゲームなど容量を多く消費する用途でもストレスを感じにくい点が魅力です。
また、従来のarrowsシリーズが得意としてきた「耐久性」「清潔さ」「使いやすさ」も健在。
防水防塵性能は最高レベルのIP69に対応し、1.5mの高さからコンクリートに落としても壊れにくい設計。さらに、ハンドソープ洗いや除菌シートでの拭き取りも可能で、衛生面でも安心して使えます。
ソフトウェア面では、新たに搭載された「arrows AI」が注目ポイント。
「Wi-Fi設定を開いて」「明るさを下げて」などと話しかけるだけで、設定メニューを開かずに操作できるようになりました。
加えて、スクロールや拡大を画面に触れずに指1本で行える「Exlider」や、1回押し・2回押し・長押しに機能を割り当てられる「アクションキー」など、日常をスマートにサポートする機能も多数搭載しています。
arrows Alpha (アローズ アルファ)の外観とデザイン

出典:FCNT
arrows Alphaのデザインは、一言で表すなら「堅牢性と上質感の両立」です。長年“壊れにくさ”にこだわってきたarrowsらしさを残しつつ、レノボグループ傘下で培われた洗練された造形技術が融合したことで、従来の国産スマホにはなかった“モダンな高級感”が感じられる仕上がりになっています。
背面デザイン:マットで上品、そしてエコ
背面はさらっとしたマット仕上げで、指紋が付きにくくサラサラとした手触りです。光の反射を抑え、どの角度から見ても落ち着いた印象を与えます。素材には再生プラスチックを採用しており、スマートフォンとしては珍しいエコマーク認定商品。
環境配慮を重視するFCNTらしいアプローチで、単なる見た目の美しさだけでなく、サステナブルなデザイン哲学が貫かれています。
背面中央にはおなじみの「arrows」ロゴが控えめに配置され、左上にはデュアルカメラと自律神経測定センサーが並びます。レンズの出っ張りは最小限で、机に置いてもガタつきにくい設計です。このセンサーは心拍変動などを利用して自律神経のバランスを計測できるarrowsシリーズならではの独自機能であり、「安心・健康を見守るスマートフォン」としての個性を強調しています。
フレーム構造:フラットでありながら、手に優しい丸み
側面にはメタルフレームを採用。剛性を確保しながら、角の部分をほんのりラウンドさせることで握り心地の良さを両立しています。
このフレームは世界最高水準の耐久構造を目指して設計されており、耐衝撃・耐圧に優れています。MIL規格23項目に準拠し、1.5mからのコンクリート落下試験にも耐えるタフさを実現。手にした瞬間、金属の質感からも“強さ”を感じる作りです。
また、上下のベゼルがやや厚めに取られているのも特徴。これは単なるデザインではなく、衝撃吸収と防水防塵構造を両立させるための必然的な設計です。
その結果、外観上は堅牢な印象を持ちながらも、実際には非常に洗練された見た目に仕上がっています。
ボタン配置と操作感:シンプルかつ機能的
右側面には音量ボタンと電源ボタン(指紋センサー一体型)を配置。指を添えるだけでロック解除でき、反応も非常にスムーズです。画面オフ状態でも「タップで解除」できる設定も可能で、日常的な操作がより直感的になっています。
左側面には本機の特徴である「アクションキー」を搭載。
1回押し・2回押し・長押しの3種類に好きなアプリや機能を割り当てられるため、ワンタッチで「カメラ起動」や「AI呼び出し」「メモアプリ起動」など、自分好みにカスタマイズができます。
下部にはUSB Type-Cポート、スピーカー、マイク、SIMトレイが並びます。SIMトレイは爪で開けられる構造になっており、ピンが不要なのが非常に便利。
イヤホンジャックは非搭載ですが、Bluetooth接続やType-C変換アダプターで代用可能です。
上部にはセカンドマイクを配置し、通話や動画撮影時のノイズキャンセリングに貢献します。
カラーバリエーションと質感
カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色展開。
ブラックはマットな質感がより引き締まり、ビジネスシーンにもマッチするシックな印象。
一方、ホワイトはややシルバーがかったパール調の色味で、光の当たり方によって優しい艶が現れます。実機で見ると写真よりも柔らかい色味で、男女問わず持ちやすいデザインです。
サイズ感と持ち心地
本体サイズは約6.4インチディスプレイを搭載しながら、横幅がスリムに抑えられています。
重量は約188gで、ハイエンドスマホとしては軽量な部類。
背面のわずかな曲面とフラットフレームの組み合わせが絶妙で、長時間手に持っても疲れにくいのが印象的でした。
個人的に1か月ほど使用して感じたのは、「見た目のタフさに反して意外とやさしい握り心地」です。厚みはややあるものの、その分だけ安心して持てる安定感があり、落としにくい設計になっています。
デザイン全体の印象
全体として、arrows Alphaは「無骨なタフネススマホ」と「洗練されたモダンデザイン」の中間に位置します。
金属の質感とマットな背面、そして細部に宿る機能美が調和しており、“日常で使うための上質さ”を感じさせる1台です。
環境への配慮、持ちやすさ、堅牢性、そしてシンプルで飽きのこない外観──どれを取ってもバランスが取れており、「長く愛用できるデザイン」という言葉がぴったりのスマートフォンです。
arrows Alpha (アローズ アルファ)のスペック詳細

出典:FCNT
arrows Alphaは、ハイエンドクラスの性能と“安心して長く使える安定性”を両立した、日本市場向けの実用志向スマートフォンです。単なるスペックの高さではなく、日常生活での快適性・耐久性・省電力性をトータルで磨き上げた設計が特徴です。ここでは、主要なハードウェア構成から通信、ソフトウェアまでを細かく解説します。
SoC(プロセッサ)とパフォーマンス
arrows Alphaに搭載されているのは、MediaTek Dimensity 8350 Extreme。
このチップは「ミドルレンジ上位クラス」と「ハイエンドの下位」を橋渡しする性能帯で、コストを抑えながらも滑らかな操作性を実現するための選定です。
- CPU構成:オクタコア(高性能コア×4 + 省電力コア×4)
- プロセスルール:6nmクラス
- GPU性能:3Dゲームでも中~高設定で快適に動作可能
- Antutuベンチマークスコア:約1,360,000点前後(実測値)
実際に『原神』や『崩壊:スターレイル』を最高設定で動かしたところ、グラフィック品質を少し下げると60fps前後で安定稼働。軽めのゲームではフレーム落ちを感じないレベルで、十分に快適です。
CPUの最適化と放熱設計がしっかりしており、性能と発熱のバランスが取れた“実用的な速さ”が体感できます。
メモリとストレージ
項目 | 内容 |
---|---|
RAM(メモリ) | 12GB(+仮想メモリ12GB/合計最大24GB) |
ストレージ | 512GB(UFS規格採用) |
外部ストレージ | microSD最大2TBまで対応 |
この価格帯では異例とも言える512GBの大容量ストレージを標準搭載。
高画質写真・4K動画・3Dゲームアプリを多数保存しても余裕があります。
また、仮想メモリ機能により実質24GB相当の処理領域を確保できるため、複数アプリの同時起動やゲーム+SNS+音楽再生といった並行動作もスムーズです。
ディスプレイ性能
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 有機EL(OLED) |
サイズ | 約6.4インチ |
解像度 | FHD+(2400×1080)クラス |
リフレッシュレート | 最大144Hz(可変対応) |
ピーク輝度 | 約3000nit(推定値) |
タッチサンプリングレート | 高速応答仕様(ゲーム操作も快適) |
保護ガラス | 強化ガラス採用(詳細非公表) |
144Hzリフレッシュレート対応のディスプレイは、スクロールやSNS閲覧時の“滑らかさ”を体感できるレベル。
ピーク輝度は約3000nitと非常に明るく、屋外の直射日光下でも視認性が抜群です。
色味は派手すぎず自然で、長時間見ていても目が疲れにくいチューニングになっています。
カメラ構成と撮影性能
カメラ | 仕様 | 特徴 |
---|---|---|
メインカメラ(広角) | 約5030万画素/OIS(光学手ぶれ補正)搭載/ソニー製センサー | 色味が自然で質感を重視した描写 |
超広角カメラ | 約4990万画素/広範囲撮影対応 | 景観撮影や建物撮りに便利 |
フロントカメラ | 約4990万画素 | SNS投稿用にも十分な画質 |
動画撮影 | 最大4K/30fps、1080p/60fps対応 | 手ブレは軽微で安定した撮影が可能 |
特殊モード | ポートレート・マクロ・夜景・ファストショット対応 | 動体にもある程度強い |
明暗差の大きいシーンでもHDRが効きやすく、色調は“派手すぎないリアル志向”。
また、マクロ撮影やポートレートでは被写体と背景の分離が自然で、夜景もノイズが少なく仕上がります。
「ファストショット」では動く被写体を追従しながらシャッタースピードを上げることで、ブレの少ない撮影が可能です。
バッテリー・充電性能
項目 | 内容 |
---|---|
容量 | 5000mAh |
充電速度 | 最大90W急速充電(PD対応) |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
連続動画再生時間(実測) | 約21時間15分(Wi-Fiストリーミング時) |
駆動時間目安 | 通常使用で約2日間持続可能 |
arrows Alpha最大の強みのひとつが90Wの急速充電対応です。
30分程度で約70%まで回復する高速チャージに対応し、出かける直前でもすぐに充電が完了。
ワイヤレス充電は非対応ですが、ケーブル充電の実用性が圧倒的に高いため、大きな不満は感じません。
また、省電力モードやAI制御により、発熱を抑えながらバッテリー寿命を延ばす工夫もなされています。
ネットワーク・通信・接続性
項目 | 内容 |
---|---|
5G | Sub-6対応(ミリ波非対応) |
4G LTE | 国内主要バンドに対応 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 / 6E対応(Wi-Fi 7非対応) |
Bluetooth | 最新世代(詳細非公表) |
有線出力 | USB 3.1(DisplayPort Alt Mode対応) |
無線映像出力 | Miracast対応 |
SIM仕様 | nanoSIMトレイ(microSD共存可) |
おサイフケータイ | 対応(FeliCa搭載) |
Wi-Fi 6Eに対応しているため、混雑したネットワーク環境下でも安定通信が可能です。
また、USB 3.1対応で、DisplayPort出力による外部ディスプレイ表示にも対応しており、簡易デスクトップPC的な使い方もできます。
モバイルSuica・iD・QUICPayなど、日本での電子決済環境にも完全対応しています。
耐久性・防水防塵性能
項目 | 内容 |
---|---|
防水防塵規格 | IP66 / IP68 / IP69 |
耐衝撃 | MIL-STD-810H準拠(23項目) |
落下耐性 | 約1.5mからのコンクリート落下試験をクリア |
高圧水流耐性 | ケルヒャーなどの高圧洗浄機にも耐える設計 |
清掃対応 | ハンドソープ洗い・アルコール除菌シート使用可能 |
防水・防塵・耐衝撃の3要素を極限まで高めた“トリプルタフ構造”。日常使用だけでなく、アウトドアや建設現場などの過酷な環境でも安心して使用できます。
このクラスの防水・耐衝撃性能を持つスマホは、現在の国内市場でも数少ない存在です。
生体認証・セキュリティ
項目 | 内容 |
---|---|
指紋認証 | 側面電源ボタン一体型(高精度・高速) |
顔認証 | 対応(2D方式) |
OSアップデート | 最大3回 |
セキュリティアップデート | 最大5年間保証 |
長期的なアップデート保証が明示されており、Androidスマートフォンとしては安心して長く使える設計です。
指紋認証は軽く触れるだけで即時解除され、顔認証との併用で利便性も高いです。
独自機能・UI(ソフトウェア)
- Exlider:側面をなぞるだけで画面スクロール・拡大が可能。寝ながら操作に便利。
- arrows AI:音声操作で設定やアプリを直接起動可能。「Wi-Fi設定を開いて」「明るさを下げて」など、対話的に操作できる。
- アクションキー:1回押し・2回押し・長押しに任意アプリを割り当て。
- Super ATOK ULTIAS:高精度日本語変換・大きめキーで入力が快適。
- シンプルモード:高齢者にも優しい大きなアイコンUIを搭載。
- arrows Today:使用頻度の高いアプリや健康情報を自動表示する情報フィード。
オーディオ・スピーカー
項目 | 内容 |
---|---|
スピーカー構成 | ステレオスピーカー(Dolby Atmos対応) |
音質傾向 | クリアでフラット、やや高音寄り |
イヤホンジャック | 非搭載(USB-C/Bluetooth対応) |
音質は高音の抜けが良く、声やBGMの分離感に優れています。映画視聴やYouTube視聴では臨場感があり、Dolby Atmosの立体音響も効果的。
ただし、低音の迫力を求めるユーザーは外部スピーカーやイヤホンを併用したほうが良いでしょう。
総評:スペック面で見た“arrows Alphaの本質”
arrows Alphaのスペックは、単に「数値の高さ」ではなく「日常的に心地よく使える最適バランス」を追求した設計です。
特に以下の3点が際立っています。
- 堅牢性と高性能を両立した唯一無二の存在
- 90W急速充電+長寿命バッテリーで“時間のストレス”を解消
- 512GBストレージ+AI補助機能で“長く使える快適性”を確保
性能・機能・安心感のすべてを高水準でまとめ上げた「日本ユーザーのための現実的ハイエンドスマホ」として完成度が非常に高い1台です。
arrows Alpha (アローズ アルファ)とarrows V2 Plus の比較

出典:FCNT
arrows Alphaは、FCNTがレノボ傘下となった後に登場した“再出発の1号機”ともいえるモデルです。前世代にあたるarrows Weやarrows V2 Plusと比べると、設計思想からハードウェア構成まで大幅に刷新されています。ここでは、特に国内で人気を集めたミドルレンジモデル「arrows V2 Plus」との違いを中心に、進化点を詳しく見ていきます。
総合比較表
項目 | arrows Alpha(2025年) | arrows V2 Plus(2024年) |
---|---|---|
位置付け | 手に取りやすい価格の“ハイエンド” | 実用志向の“ミドルレンジ” |
メーカー体制 | FCNT × Lenovo(共同開発) | FCNT単独開発 |
チップセット | MediaTek Dimensity 8350 Extreme | Snapdragon 6 Gen 1 |
メモリ/ストレージ | 12GB+仮想12GB(計24GB)/512GB | 8GB+仮想メモリ非対応/128GB |
ディスプレイ | 約6.4インチ 有機EL/144Hzリフレッシュレート | 約6.7インチ LCD/120Hzリフレッシュレート |
ピーク輝度 | 約3000nit | 約1200nit |
バッテリー容量 | 5000mAh | 5000mAh |
充電速度 | 最大90W急速充電(対応アダプター付属) | 最大30W急速充電 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応なし |
カメラ構成 | 約5030万画素(広角)+約4990万画素(超広角) | 約5000万画素(広角)+約800万画素(超広角) |
OIS(手ぶれ補正) | 光学式手ぶれ補正対応 | 非対応 |
防水防塵 | IP66/IP68/IP69(高圧水流耐性あり) | IP68 |
耐衝撃 | MIL規格23項目準拠(1.5m落下耐性) | MIL規格一部準拠 |
フレーム素材 | メタルフレーム(フラット) | 樹脂+丸みのある構造 |
重さ | 約188g | 約192g |
生体認証 | 指紋(側面)+顔認証 | 指紋(背面)+顔認証 |
独自機能 | arrows AI/Exlider/アクションキー | Exlider(簡易版) |
スピーカー | Dolby Atmos対応 ステレオ | モノラルスピーカー |
防水洗浄対応 | ハンドソープ丸洗い可 | 対応 |
OSアップデート保証 | 最大3回/セキュリティ5年 | 最大2回/セキュリティ3年 |
価格帯(発売時) | 約8万〜8.9万円 | 約5万円台 |
発売後の印象 | “国産+ハイスペック”の再起モデル | “安心ミドル”の代表機種 |
パフォーマンスの進化:中堅から本格ハイエンド級へ
最大の進化ポイントは、チップセットとメモリ周りです。
前機種arrows V2 PlusではSnapdragon 6 Gen 1を採用し、一般的なミドルレンジ帯の性能でした。
一方のarrows Alphaは、MediaTek Dimensity 8350 Extremeを搭載し、Antutuスコアで約1.3倍以上の性能向上を実現。アプリの立ち上げ速度、マルチタスク性能、ゲームの滑らかさなど、全体的にレスポンスが劇的に改善しています。
また、メモリが12GB(仮想RAM含め最大24GB)に強化されたことで、アプリの切り替え時の待ち時間がほぼゼロに。複数アプリを開きっぱなしでも動作が軽快です。
「国産スマホは動作が重い」という過去の印象を払拭する、快適な操作性が実現されています。
ディスプレイの品質:明るさと滑らかさが別次元
arrows V2 Plusでは液晶ディスプレイ(LCD)を採用していましたが、arrows Alphaではついに有機ELディスプレイ(OLED)を採用。
加えて、144Hzリフレッシュレート+約3000nitのピーク輝度というハイエンド級の仕様となり、屋外の強い日差しの下でも非常に見やすくなりました。
発色もナチュラルで、文字や映像のコントラストがくっきり。動画やゲーム、SNS閲覧など、どのシーンでも目に優しい自然な色再現です。
V2 Plusと並べると、Alphaの方が明らかに発色が鮮やかで“パネルの格が違う”と感じます。
カメラ性能:画質・色再現が大幅に改善
カメラ構成も刷新され、約5030万画素+約4990万画素のデュアルカメラを搭載。
さらに、OIS(光学式手ぶれ補正)を新採用したことで、夜景撮影や動画撮影時のブレが大幅に軽減されています。
arrows V2 PlusではHDR補正がやや強めに働く傾向がありましたが、Alphaではより自然で落ち着いたトーンに調整。
昼間は明暗のバランスが整い、夜景ではノイズが少なく、全体的に一眼カメラに近い質感描写が可能になっています。
また、被写体認識も向上し、ポートレートの背景ボケがより自然に。マクロ撮影の距離も短縮され、小物撮影にも適しています。
充電・バッテリー:90W急速充電の衝撃
arrows V2 Plusが30W充電止まりだったのに対し、Alphaでは最大90Wの超急速充電に対応。
わずか30分で70%前後まで充電でき、日常的な充電ストレスが大幅に軽減されました。
実際にテストしてみると、10分間で40%近く回復するほどのスピード感。
バッテリー容量は同じ5000mAhですが、発熱制御と電力効率が改善され、動画再生約21時間超えを記録。
同条件で比較すると、V2 Plusよりも約15〜20%駆動時間が長くなっています。
ボディ構造:軽量化+高級感アップ
両機種を手に持ってみると、まず感じるのは質感の違い。
V2 Plusは樹脂製フレームで丸みのあるデザインでしたが、Alphaはメタルフレーム+フラット構造を採用。持ちやすさを保ちつつも、高級感と剛性感が大幅に向上しています。
背面はマット仕上げでサラサラとした手触り。再生プラスチック素材ながらもチープさがなく、環境配慮と高品質デザインを両立しています。
重量は約188gとV2 Plusよりも軽く、長時間の操作でも疲れにくくなりました。
耐久・防水:タフネス性能の頂点へ
V2 Plusでも防水防塵(IP68)に対応していましたが、Alphaはさらに上位のIP69を取得。
高圧水流や熱水に耐える構造となり、ケルヒャーなどの高圧洗浄機の水流にも耐えるほど強靭です。
MIL規格23項目にも準拠し、落下や振動、温度変化にも強い“実用的タフネス”を実現しました。
また、ハンドソープ洗いやアルコール除菌シート対応など、日常的な清潔さにも配慮されています。
防水スマホの中でも、ここまで洗浄に強い機種は非常に珍しいです。
独自機能:AIと操作性が進化
arrowsシリーズの伝統的な機能「Exlider」は、Alphaでは精度と感度が向上し、よりスムーズなスクロールが可能になりました。
さらに、新機能として「arrows AI」と「アクションキー」を搭載。
- arrows AI:音声で「Wi-Fi設定を開いて」「明るさを下げて」などと話すだけで即座に設定画面を開ける。
- アクションキー:1回・2回・長押しで任意のアプリを起動可能(AIやジェミニ、SNSなどを設定可)。
これらにより、操作の直感性が飛躍的に向上。スマホ操作が苦手な人でも使いやすくなっています。
音響・スピーカー性能
V2 Plusがモノラルスピーカーだったのに対し、AlphaではDolby Atmos対応ステレオスピーカーを搭載。
音の立体感やクリアさが段違いで、映画やゲームの没入感が向上しています。
高音の伸びが自然で、声の明瞭度も高いです。
低音の厚みは控えめですが、全体的にフラットで聴きやすいサウンドチューニングです。
OSアップデートと長期サポート
V2 PlusではOSアップデート2回/セキュリティ3年対応でしたが、AlphaではOSアップデート3回/セキュリティ5年に延長。
これにより、長期間にわたって最新のAndroid環境で安心して使い続けられます。
特に国産スマホでこの保証期間は貴重で、長期的な資産価値も高まっています。
総評:まさに「再生したarrows」
arrows Alphaは、単なるスペックアップモデルではなく、arrowsブランドの再定義とも言える存在です。
従来の“堅牢で優しいスマホ”というコンセプトに、レノボ傘下で得たグローバル設計ノウハウとAI技術を融合。
- 性能 → ミドルからハイエンド級へ
- デザイン → 丸みからフラットメタルへ
- 機能 → 便利機能中心からAI搭載へ
と、すべての要素が現代的に生まれ変わっています。
arrows V2 Plusが「誰でも安心して使えるスマホ」だったとすれば、arrows Alphaは「安心して、なおかつワクワクできるスマホ」。
“国産スマホの進化形”として、確かな存在感を放つ1台です。
arrows Alpha (アローズ アルファ)を使用した私の体験談・レビュー

出典:FCNT
ここからは、私がarrows Alphaを実際に約1か月間使ってみて感じたリアルな印象をお伝えします。
普段はGalaxyやXiaomi、Pixelなど複数のスマートフォンを使い分けており、主に「操作性」「カメラ」「バッテリー」「発熱」「AI機能の実用度」などを重点的に検証しました。結果として、arrows Alphaは“派手さよりも実直さ”を大切にした、日本人の生活に本当に寄り添うスマートフォンだと感じました。
手にした瞬間の印象:軽く、しっとり馴染む
最初に感じたのは、「ハイエンド機なのに軽い!」という驚きです。
188gという数字は他社ハイエンド(200g超えが多い)に比べても軽く、長時間の片手操作でも疲れにくいです。
背面のマット質感はさらっとしていて、指紋がほぼ付かないのが地味に嬉しいポイント。カバーを付けなくても清潔感を保てます。
また、側面のフラットメタルフレームは剛性が高く、持った瞬間に“しっかりしてるな”という安心感があります。
落下耐性もMIL規格準拠ということで、外出中に誤ってアスファルトに落とした際も(ヒヤッとしましたが)無傷でした。まさに「arrows=壊れにくい」の伝統を受け継いでいます。
ディスプレイ体験:144Hzの滑らかさと視認性の高さ
ディスプレイは、約6.4インチの有機EL・144Hzリフレッシュレート対応。
日常的にSNS(X、Instagram)、ニュースアプリ、Web閲覧をしていても動作が非常に滑らかです。
特にスクロール時の残像感がなく、指の動きにぴたりと追従してくれる感覚があります。
また、明るさが最大約3000nitと高いため、真夏の日差しの下でも視認性が抜群。
海辺や屋外イベントなど、光の強い場所でもしっかり文字が読めました。
一方で、上下ベゼルが少し太いのは好みが分かれるかもしれません。ただし、これは耐衝撃構造ゆえの“機能的デザイン”であり、私はむしろ堅牢性を感じて好印象でした。
生体認証:速く・正確・迷いがない
側面の指紋センサー一体型電源ボタンは、認識速度が非常に速く、軽く触れるだけで即座にロック解除されます。
また、顔認証も感度が良く、マスク着用時を除けばスムーズに認識してくれました。
この2つを組み合わせると、電源ボタンを押す必要すらなく“持ち上げた瞬間に起動している感覚”で使えます。
AIアシスタントとアクションキーの便利さ
使ってみて特に印象に残ったのが、「arrows AI」と「アクションキー」の組み合わせです。
アクションキーは側面にある物理ボタンで、「1回押し」「2回押し」「長押し」の3パターンに機能を割り当てられます。
私は以下のように設定しました:
- 1回押し:カメラ起動
- 2回押し:arrows AI起動
- 長押し:懐中電灯
この設定で、日常の操作がかなり効率化しました。特に「ちょっと撮りたい」シーンで1秒以内にカメラを立ち上げられるのは快適です。
「arrows AI」はまだ開発途上の印象もありますが、設定変更や操作補助には十分実用的。
「明るさを下げて」「バッテリーセーバーをオンにして」など、細かい設定を探さずに声で実行できるのは便利でした。
また、今後「通知要約」や「画像生成」などのアップデート予定もあり、将来的な進化が期待できます。
日本語入力(Super ATOK ULTIAS):これが本気の国産IME
arrows Alphaに標準搭載されているSuper ATOK ULTIASは、個人的に非常に好印象でした。
文字が大きく、ボタン間の距離も広めで押しやすい。
予測変換の精度も非常に高く、例えば「今日きょうだいが来た」と打っても、1回の変換で自然な文に整えてくれます。
さらに、手書き入力や英字入力時のフリックで大文字・小文字を切り替えられる仕様が地味に神。
「細かいけど便利」という使い勝手が随所に詰まっており、日本語を多く扱うユーザーには最適な入力環境だと思います。
カメラ体験:自然で落ち着いた色、暗所にも強い
カメラは約5030万画素(メイン)+約4990万画素(超広角)のデュアル構成。
実際に撮影してみると、派手すぎない自然な色味が特徴的です。
風景や人物の肌色もナチュラルに写り、特に晴天時の空や緑の階調が綺麗に出ます。
夜景撮影ではHDRがバランスよく効いており、照明の白飛びをうまく抑えてくれます。
ポートレートモードは背景のボケ方が自然で、髪の毛など細かい部分の境界も比較的綺麗に処理されています。
一方で、10倍ズームなどデジタル補完の範囲になると若干のノイズは見られますが、OIS搭載による手ぶれ補正がしっかり効いており、総合的に安定した仕上がりです。
ゲーム性能と発熱
ゲーム検証では『崩壊:スターレイル』を高画質設定でプレイ。
基本的には快適に動作しますが、60fps固定だと一部で微妙なフレーム落ちが発生。
設定を中画質にすれば体感的にはスムーズで、発熱も40℃前後に抑えられていました。
指先で“ほんのり温かい”程度で、長時間のプレイでも不快感はありません。
熱伝導のバランスが良く、冷却設計がしっかりしている印象です。
バッテリーの持ちと充電スピード
5000mAhの大容量バッテリーに加え、90W急速充電が本当に優秀です。
朝の準備中に15分ほど充電するだけで40%以上回復するため、出かける前に慌てることがなくなりました。
実際の使用では、
- SNS・ブラウジング:約3時間
- YouTube:約2時間
- カメラ撮影・メールなど:約1時間
の合計6時間程度のアクティブ使用で、1日半は余裕で持つ印象です。
常時144Hz設定でもバッテリー消費は穏やかで、省電力制御がよく効いています。
スピーカーと音質:クリアで聴きやすい
Dolby Atmos対応のステレオスピーカーは、クリアで高音の抜けが良く、ボーカルやセリフが明瞭。
YouTubeやNetflixをよく観る私にとって、この音の聞き取りやすさは非常に満足度が高いです。
低音はやや軽めですが、耳障りなシャリつきが少なく、全体的にバランスの良いチューニングでした。
防水・防塵・耐久性の実感
arrowsシリーズ伝統のIP69/MIL23項目準拠の安心感はやはり健在です。
実際に台所でハンドソープ洗いを試しても問題なし。
砂埃が舞う屋外でも、端子部分の防塵性能がしっかり効いていました。
防水・耐衝撃の安心感は他メーカーのスマホにはなかなかない“arrowsらしい魅力”だと再認識しました。
1か月使って感じたまとめ
- 安定性と安心感が圧倒的に高い
→ 操作中の不具合やフリーズが一度もなく、ストレスのない日常体験。 - バッテリー・充電・耐久性の三拍子が優秀
→ “充電忘れ”が怖くないスマホ。 - AI機能が生活をさりげなく支える
→ スマホ操作をシンプルにする方向性が好印象。 - 唯一の弱点は、ベゼルとワイヤレス非対応
→ ただし実用上はほぼ問題なし。
私の結論
使い込むほどに感じたのは、「派手ではないけれど、非常に完成度の高い実用スマホ」ということ。
とくに“安心して毎日使える”という信頼感は、他社のハイエンド機にも負けていません。
堅牢さ・快適さ・AIの便利さをバランスよく備えたこのarrows Alphaは、まさに「令和の国産スマホの理想形」と言える一台です。
arrows Alpha (アローズ アルファ)に関するQ&A

Q. 防水はどの程度まで大丈夫ですか?
・IP66/68/69対応で、高圧水流や粉塵環境にも耐えます。ハンドソープでの丸洗いや除菌シート拭き取りも想定されています。
Q. ワイヤレス充電は使えますか?
・非対応です。代わりに最大90Wの有線急速充電に対応します。
Q. microSDは何TBまで使えますか?
・最大2TBまで対応です。写真や動画を外部に逃がして本体512GBと使い分けができます。
Q. イヤホンジャックはありますか?
・3.5mm端子は非搭載です。Type-C接続またはBluetoothをご利用ください。
Q. ディスプレイのベゼルが太いのはなぜ?
・耐衝撃性を優先した設計によるものです。頑丈さと見やすさのバランスを取っています。
Q. ゲームは快適に遊べますか?
・ミドルハイ〜ハイエンド中位クラスの体感で、多くのタイトルは快適です。超重量級を最高設定・60fps貼り付けで遊ぶなら設定調整を推奨します。
Q. 発熱は気になりますか?
・連続高負荷時は40℃台中盤まで上がることがあり、フレームで熱を感じやすいです。ケース装着や画質設定見直しで緩和できます。
Q. OSアップデートの方針は?
・メジャーアップデート最大3回、セキュリティは最長5年です。長く安心して使えます。
Q. 日本語入力の使い勝手は?
・Super ATOK ULTIASにより候補精度・視認性が高く、長文作成も快適です。手書き入力や大きめUIで年配の方にも親切です。
Q. eSIMやデュアルSIMは?
・実機はnanoSIMトレイを搭載し、microSDと共存できる構造です。販売仕様により異なる可能性があるため、購入先の製品ページで最新情報をご確認ください。
Q. テレビ出力はできますか?
・USB 3.1のDisplayPort Alt ModeやMiracastに対応し、外部ディスプレイ表示が可能です。
arrows Alpha (アローズ アルファ)が向いている人・向いていない人

出典:FCNT
arrows Alphaは、ハイエンドの性能を備えながらも、安心感や扱いやすさを重視した“実用派スマートフォン”です。
ここでは、実際に1か月使ってみて感じた印象をもとに、「この機種がどんなユーザーに向いているのか」「どんな人には別の選択肢が合うのか」を詳しく整理します。
arrows Alpha (アローズ アルファ)が向いている人
スマホに“安心と信頼”を求める人
arrows Alphaの最大の魅力は、圧倒的な堅牢性と安心感です。
防水・防塵性能は最高等級の「IP66/68/69」に対応し、MIL規格23項目もクリア。
高圧洗浄機の水流に耐え、1.5mからの落下でも画面が割れにくい構造になっています。
高性能ながら扱いやすい“国産スマホ”が欲しい人
日本メーカーらしい丁寧な設計が随所に感じられるのも、この機種の特徴です。
シンプルモードの搭載や日本語変換に強い「Super ATOK ULTIAS」など、初めてのスマホや機種変更でも迷わない設計になっています。
また、操作アシストの「arrows AI」や側面操作の「Exlider」は、タッチが苦手な方にも優しい仕様です。
「スマホの設定が難しい」「音量やWi-Fiをいじるのが面倒」といった方でも、
“声で操作できる”安心感があり、シニア層・家族へのプレゼント機種としても非常におすすめできます。
普段使い+軽いゲームやカメラ撮影を楽しみたい人
搭載されているDimensity 8350 Extremeは、ミドル~ハイエンドクラスの性能を誇り、SNS、動画視聴、Webブラウジングはもちろん、『原神』『崩壊:スターレイル』などの3Dゲームも高設定で快適に動作します。
さらに、メモリ12GB+ストレージ512GBという余裕の構成で、アプリをいくつも立ち上げても快適そのもの。
カメラも明暗差のある風景や夜景でも自然に撮影でき、SNS投稿レベルなら十分すぎる画質を誇ります。
つまり、日常的な使い方+趣味の撮影や軽いゲームまでを一本でこなしたい人にピッタリです。
バッテリーの持ちと充電スピードを重視する人
90W急速充電は、実際に使うと“もう他には戻れない”ほど便利です。約30分で70%前後まで充電でき、忙しい朝でも出かける準備の合間にすぐ回復。
また、バッテリー持ちも良く、普段使いで2日間前後の駆動が可能です。
充電を忘れがちな人、外出が多い人、出張や旅行に行く人にとっては大きな安心要素になります。
“派手すぎないデザイン”を好む人
背面のマット仕上げ、フラットフレーム、そして落ち着いたカラーリング(ブラック/ホワイト)。
どの角度から見ても上品で、シンプルかつ上質という印象を受けます。
仕事用としても違和感がなく、スーツ姿にもカジュアルにも自然に馴染みます。
デザインに奇抜さを求めず、“持っていて恥ずかしくない国産スマホ”を探している人に最適です。
長く安心して使いたい人
arrows Alphaは、OSアップデート3回・セキュリティ更新5年間保証という長期サポートを約束しています。
このサイクルは国内メーカーとしては非常に優秀で、「3年後も安心して使えるスマホ」を選びたい方にぴったり。
短期間で買い替えたくないユーザーにとって、非常にコスパの良い選択肢です。
arrows Alpha (アローズ アルファ)が向いていない人
デザインよりも“薄さと軽さ”を最優先する人
耐衝撃構造のため、arrows Alphaはやや厚みのある設計(約9mm台)になっています。
188gという重量は十分軽めですが、手の小さい方にはやや“ごつさ”を感じることも。
極薄スマホやエッジディスプレイのような“スタイリッシュさ”を求める方には不向きです。
ワイヤレス充電や高級機能を重視する人
有線での90W急速充電は非常に優秀ですが、ワイヤレス充電には非対応です。
机の上でポンと置くだけで充電したい人、MagSafeやQi対応アクセサリーを使っている人には少し物足りないかもしれません。
また、赤外線通信やテレビチューナーなどの“昔ながらの国産機能”も省略されています。
最高峰のゲーム性能を求める“ゲーマー層”
ゲーム自体は快適に動作しますが、Snapdragon 8 Gen 3やDimensity 9300搭載機のような超ハイエンド性能ではありません。
原神など重量級タイトルを「最高設定・60fps固定」で長時間プレイしたい人には、少し発熱が気になる場面もあります。
そのため、ゲーミングスマホ並みのパフォーマンスを求める方は、別の選択肢(ROG Phone、RedMagicなど)を検討した方がよいでしょう。
広角・望遠・夜景を“本格的に撮りたい”写真好き
arrows Alphaのカメラはバランス重視で、色味もナチュラルな仕上がりです。ただし、望遠レンズは非搭載で、ズーム撮影にはデジタル処理が入ります。
旅行や風景をメインに撮る人には十分ですが、写真趣味で構図やボケ感を追求する人には物足りない可能性があります。
“尖った個性”を求める人
最近のスマホ市場では、折りたたみや透明背面、RGBライト搭載など、個性的なデザインが増えています。
それに比べると、arrows Alphaは非常に落ち着いた“王道デザイン”で、良くも悪くも無難です。
「見た目で驚かせたい」「ガジェットらしさを楽しみたい」方には、やや地味に感じるかもしれません。
総評:実用志向の「堅実ハイエンド」
arrows Alphaは、派手な機能や奇抜なデザインよりも、使う人の生活を支える実直なスマホです。
最新のAI機能を備えながらも、誰にでも扱いやすく、壊れにくい。
それでいて90W急速充電や高品質ディスプレイなど、ハイエンドとしての満足感もきちんとあります。
向いている人の特徴をまとめると
- スマホを長く・安心して使いたい
- 清潔・堅牢・快適という“安心三拍子”を重視する
- 難しい操作よりも直感的な使い方がいい
- 価格と性能のバランスを大切にしたい
こうしたユーザーには、間違いなく「買って満足できる1台」です。一方で、ワイヤレス充電や最高性能を求める“尖ったニーズ”には少し控えめ。
arrows Alpha (アローズ アルファ)レビューまとめ

出典:FCNT
arrows Alphaは、ただの「国産スマホの新モデル」ではなく、FCNTが再び本気を出した“復活の象徴”とも言える一台です。
実際に1か月間使ってみて感じたのは、性能・使いやすさ・耐久性のすべてが高い次元でバランスされており、
「これぞ日本人のためのハイエンドスマホ」という完成度でした。
以下では、arrows Alphaのレビューを総括しながら、その魅力と課題を整理していきます。
arrowsシリーズの“原点回帰”と“進化”を両立した一台
arrows Alphaは、かつて「壊れにくい・安心して使える」と支持されたarrowsシリーズの原点を守りつつ、
レノボ傘下でグローバル基準の品質へと進化したモデルです。
防水・防塵・耐衝撃といった安心仕様は健在でありながら、ディスプレイは144Hz有機EL、充電は90W急速対応、そしてAI機能まで搭載。
「安心スマホ」から「本格ハイエンド」へ――確実な進化が感じられます。
特に印象的だったのは、堅牢さと洗練さの共存。メタルフレーム構造の高級感、マットな背面の上質な手触り、落ち着いたデザインなど、“使いやすさ”と“見た目の美しさ”が両立しています。
性能:十分以上のパワーと滑らかさ
搭載されているMediaTek Dimensity 8350 Extremeは、ハイエンドSoCほどではないものの、アプリ操作・動画視聴・SNS・ゲームといった日常のあらゆる動作を快適にこなせます。
Antutuスコアは約136万点で、体感的にはSnapdragon 8 Gen 1クラスに匹敵。
メモリは12GB(+仮想RAM12GB)、ストレージ512GBと、ハイエンド顔負けの贅沢構成です。
実際に使用していて動作が重くなる場面はほとんどなく、アプリの切り替えも瞬時。
ブラウジング、SNS、動画編集、軽めの3Dゲームまで、「ほぼ全てが快適に動く」安定したパフォーマンスを感じました。
ディスプレイと操作性:目に優しく、指に気持ちいい
約6.4インチの有機ELディスプレイは、最大144Hzの高リフレッシュレートに対応。
スクロールやゲーム操作は非常に滑らかで、どんな場面でも遅延を感じません。
さらに、最大輝度が約3000nitと非常に高く、直射日光の下でも画面がはっきり見える“視認性の高さ”は特筆に値します。
また、指紋センサーの精度も高く、触れた瞬間にアンロックされるレスポンスの良さは国産スマホ随一。
arrows AIとExlider:使うほどに手放せない便利機能
今回のarrows Alphaで特に印象的だったのが、AI音声アシスタント「arrows AI」と、側面操作機能「Exlider」です。
arrows AIは、設定変更を声で実行できる実用的なAI。
「Wi-Fi設定を開いて」「明るさを下げて」などの操作が一瞬で完了します。
しかも、検索ではなく実際に設定画面を直接開いてくれるのが素晴らしい。
“使う人の行動を理解して助けてくれるAI”として、他社の音声アシスタントよりも実務的です。
Exliderは、側面センサーをなぞるだけでスクロールや拡大ができる機能。
寝ながらSNSを見るときや、手が濡れているときに大活躍します。
慣れると指を画面に触れずに操作できるため、他機種に戻れなくなる快適さです。
arrows Alpha (アローズ アルファ)レビュー総評
arrows Alphaを使い続けて感じたのは、見た目の派手さやスペック競争ではなく、「使う人の毎日を本気で支えるスマートフォン」という開発思想がしっかりと形になっているということです。防水・防塵・耐衝撃という伝統の安心設計に加え、AIによる操作サポートや高速充電、明るく美しいディスプレイ、そして滑らかな動作。どの要素をとっても、日常の使い勝手を丁寧に磨き上げた結果が感じられます。
1か月間使う中で、不安定さやストレスを感じたことは一度もなく、まるで“空気のように自然に馴染む”端末でした。最新チップ搭載の海外製スマホが話題をさらう中で、arrows Alphaはあくまで「使いやすさ」「耐久性」「安心」を軸に据え、静かにしかし確実に存在感を放っています。どんな環境でも安心して使え、誰にでも快適な操作体験を提供してくれる――その完成度はまさに日本メーカーの誇りを感じさせるものでした。
このスマートフォンは、尖った性能を求める人よりも、日常をしっかり支えてくれる信頼の1台を探している人にこそふさわしいと思います。長く付き合うほどに良さが見えてくる、誠実で確かなスマートフォン。それが、私がこのarrows Alphaを使ってたどり着いた結論です。

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